妊娠に重要な五臓
1.腎
腎は「先天の本」と言われ、生命の根本であり、人間の成長・発育・生殖に関わっています。
また、人体を構成する根源物質の「精」を貯えています。
この「精」は、両親からの遺伝である「先天の精」と生まれた後の飲食によって消化吸収して生命活動を維持する源の「後天の精」があります。
腎に貯えられている精が、肝臓に貯えている血を生み出すのです。
この精・血が月経の源なので、妊娠にも欠かせません。
また、腎にはカラダを潤してくれる「腎陰」と温めてくれる「腎陽」があり、カラダがカサカサになったり冷えたりすると、腎が元気をなくして月経や妊娠に影響を及ぼします。
生理不順やひどいと不妊になる恐れも…‼
2.肝
肝には「疏泄」という、全身の気の流れをスムーズにする働きがあります。
この働きが出来なくなると、気の流れが滞って、「気滞(きたい)」が生じます。 ⇒ 生理不順、生理痛、更年期障害の原因に。
また、肝には血を貯えて、血液量を調節する働きもあり、肝臓に貯えている血液が腎精の不足を補うことが出来るので、「肝腎同源」または「精血同源」と言われます。
精・血は月経と妊娠に強い影響があるので、精血が不足すると、生理不順、生理痛、さらには不妊を引き起こす恐れが…‼
3.脾(胃)
脾(胃)とは、いわゆる消化器のことです。
消化・吸収の働き以外に、中医学では、カラダ全体の水分代謝にも関わっていると考えます。
消化機能がダウンすると、脾が作り出す後天の精が不足して、月経の原料である血液の生産量が減ります。 ⇒ 妊娠に必要な基礎―健康な精子&卵子―が作られなくなってしまうので、不妊症が起こります。
妊娠出来たとしても、妊娠後の様々な病気や症状が現れて、ひどいと流産になる恐れも…。
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妊娠に重要な気・血・津液
1.精
上記の「1.腎」を参照してください。
2.気
もともと腎が弱い「先天不足」や慢性疾患などは気を減らします。
気が不足して栄養が与えられないと気虚(ききょ)が生じ、元気がない、食欲不振、風邪をひきやすいなどの症状が見られます。
気は全身を巡って生命活動を行いますが、精神が乱れると、気が滞って ⇒ 抑うつ、いらいらする、怒りっぽい、生理不順、生理痛などの原因に。
3.血
血は全身に栄養分を与えてくれる物質です。
先天不足、出血などで血が不足する血虚(けっきょ)になると、顔が白い、めまい、経血色が薄い、経血量が少ない、生理不順、ひどいと不妊になる恐れが…‼
また血の流れが悪くなると、血行不良である血瘀(けつお)ができ、生理不順、生理痛に。 不妊になることも。
大事なのは、気と血が互いに影響を及ぼし合っているということ。
気の働きが正常であれば、造血機能も正常で、月経の原料である血が作れるので、月経は順調です。
気の働きがダウンすると、必要な血液が作れなくなるので、月経量が少ない・薄いなどの生理不順になります。
また、血液がたっぷりあれば、気と一緒に全身に栄養を送れて、五臓六腑の働きが正常になりますが、血液が少なくなると、月経・妊娠に関わる、腎・肝・脾の働きがダウン ⇒ 生理不順、ひどいと不妊症の恐れがあります。
4.津液
体内のよい水分を津液と言い、これが全身を潤していますが、その水分代謝に異常が起こると、中医学では「痰湿(たんしつ)」という余計な水分が生じるとされています。
痰湿によって肥満症、生理不順、不妊症になるリスクが高くなります。
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任脈と衝脈
難しくなるので、細かくは書きませんが、妊娠に重要な体のラインに、任脈と衝脈があります。
どちらも月経・妊娠に重要な脈なので、このラインを温めることをおすすめします。
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月経・妊娠のための薬膳
- 補気養血 : 臓腑機能を補って、血を養います。
うるち米・もち米・いも類・ぶどう・レバー・いか・なつめ・にんじん など - 活血 : 血行不良を改善します。
青梗菜・なす・黒きくらげ・酢・酒 など - 補腎 : 腎の精血を補って、アンチエイジング。
黒豆・黒ごま・ぶどう・ライチ・くこの実・豚レバー など - 去痰除湿 : 体内の余分な水分を取り除き、不妊の原因の1つである肥満を改善します。
はと麦・小豆・とうもろこし・冬瓜・鯉・うなぎ・どじょう など