中医学では下痢のことを「泄瀉(せっしゃ)」といいます。 主な原因は、脾・胃の機能障害。 脾には運化・昇清作用があり、胃には、受納・腐熟・和降の働きがあります。 脾と胃が協調して消化活動全体を司り、栄養源である後天の精が作られます。 この脾・胃の機能が、様々な要因により障害されて下痢(泄瀉)が起こります。 こどもは陰陽のバランスが崩れやすく、脾胃の機能も未熟で、気血がまだ充実しておらず、抵抗力も強くありません。 内・外の要因の影響を受けやすい状態にあるので、下痢を引き起こしやすいといわれています。
こどもの下痢
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湿熱タイプ
暑熱による下痢と胃腸積熱による下痢です。 泄瀉は、夏・秋に比較的多くみられます。 夏は暑さが厳しく(暑邪)、暑邪は湿邪を伴いやすい邪気。 この季節に小児を炎天下や、暑い場所で過ごさせたり、冷たいものを飲食させ過ぎると、湿熱の邪が臓腑に侵入し脾・胃を犯し泄瀉が起こります。
【症状】
発病が急で、腹がきりきり痛む
1日に十数回にわたり緑色または黄色の水様便があり、便の中に未消化物、または少量の粘液が混じる場合がある
肛門は赤く灼熱する
他に、発熱、口渇、いらいら、小便は黄色で量が少ないなど
舌色が赤色、舌苔が黄色くじゅくじゅくしている
【治療原則】
清熱利湿、解毒(熱と湿を取り除き消化機能を調整し泄瀉を止める)
【薬膳処方】
- すべりひゆ粥
- 粟粥
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風寒タイプ
冬・春は風寒を感受しやすい季節。 また、暑さで毛孔が開いている夏秋に、薄着をしたり肌を露出して眠っていると、風寒を感受することがあります。 風寒を感受し、寒邪が脾・胃の陽気を損傷すると、消化機能が失調して泄瀉が起こります。
【症状】
腹痛、腹鳴をともない、便は稀薄で泡立ち、色は淡色で臭気も少ない
他に、発熱、鼻づまり、鼻水などがある
【治療原則】
疏風散寒・化湿和中(風寒を取り除き、湿を除去して脾胃の機能を整える)
【薬膳処方】
- 朝鮮人参と茯苓の粥
- なつめと生姜の粥
- 梅干し粥
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