血・津液・精といった陰液の不足
肺気虚体質と同じく、肺陰虚体質と密接に関係する季節は秋です。 肺は潤いを好み、乾燥を嫌うという特徴をもち、乾燥する秋の気候により肺の陰駅が消耗するため、秋には肺を潤す必要があります。
【症状】
消瘦、のどの渇き、咳や痰がないあるいは少ない、声がかすれる、熱感、心煩、両手両足の裏の熱感(五心煩熱)、寝汗をかく(盗汗)、舌が紅色、舌の乾燥、脈が細くて速い
【分析】
陰虚体質・タバコや飲酒の嗜好・刺激性の強い飲食・慢性病・老化などが原因となって、肺の陰液不足の状態が現れる。 肺は潤されることを好むため、肺陰虚になるとのどの渇き、咳が出やすい、痰がない、声がかすれるといった症状が現れる。 陰虚により陽亢となって内熱を生じると、五心煩熱、潮熱*、盗汗の症状が現れる。
【立法】
滋陰清熱潤肺
【食材】
肺経の滋陰類 : 小松菜・アスパラガス・白きくらげ・松の実・ひまわりの種・白ごま・鶏卵・鴨の卵・家鴨肉・猪肉・兎肉・牛乳・チーズ
肺経の清熱類 : きび・セロリ・白菜・山東菜・スベリヒユ・きゅうり・ズッキーニ・豆腐・湯葉・こんにゃく・ヒシ・茶葉・バナナ・さとうきび・マンゴー・メロン
【中薬】
肺経の滋陰類 : 麦門冬・沙参・玉竹・黄精・百合・枸杞子
肺経の清熱類 : 芦根・竹葉・山梔子・天花粉・地骨皮