「国際薬膳師」試験に寄せて

二日間の「国際薬膳師・国際薬膳調理師」試験が終わり、やっとほっと息をつくことができました。

すべての用意を整えた4月の国際試験はコロナウイルスの影響によって、2回も延期し、日程の変更をしました。やっと緊急事態宣言が解除され、8月に行うことを決めました。しかし、7月に入って、なんと感染者の数は増え続けていき約500人までに上りました。政府から個人まで、みんなが困惑し、不安と緊張で頭の中も胸の中もいっぱいです。

40名余りの卒業生が試験をキャンセルし、中止すべきだとの様々なご意見もいただきましたが、70名以上の卒業生は「今こそ薬膳」と述べ、どうしても今年の国際試験に挑んで「国際薬膳師」「国際薬膳調理師」の資格証書を取りたいという思いで試験勉強を頑張り、試験日がくるのを待っていました。

 

コロナウイルス感染症は、今もなお、終息の見通しが立っていません。試験を予定通りに行うのか、取り止めるべきか、ずいぶん悩みました。正直に言えば、試験を中止することは最も楽な選択です。予定通り試験を行えば感染するリスクが高まり、重大な責任を負うこととなります。回避することばかりを考え、心身ともに疲れ、何も手につきません。人間は何時からこんなに弱いものになったかしら?しかし、多くの卒業生は試験の実施を期待しています。その希望に応えたい気持ちが強くありました。

万全な措置を取り、空間除菌・備品除菌・定期的な巡回除菌などの取り組みはもちろん、定員数約200人の広い会場を予約しました。学校の職員も昼休みの時に窓を開けて換気をし、テーブルや椅子、ドアを消毒し、受験生や試験官、職員もみんなマスクを着用し、手を消毒し、入室前には検温を行いました。

 

 

35℃の真夏、74名の卒業生は各地から東京に集まり、試験に臨みました。二日間の「国際薬膳師」「国際薬膳調理師」の試験は無事に終了しました。みなさん、よく頑張りました。大変お疲れさまでした。皆さんの試験合格を祈ります!

これからは中医薬膳学を修めた仲間として一緒に歩んでいきたいです。

徳望が高い2名の試験官に感謝いたします。学校の教職員のみなさんに感謝します。

 

今年の重要な仕事は大成されました。

 

卒業生の活躍に感動

2002年に本草薬膳学院を設立してから今年で18年になりました。この18年間で多くの方々が中医薬膳学の道に入り、本草薬膳学院の学生になりました。難しい教科書を読み、講義を聞き、宿題を提出し、学びの道の途中で楽しみにも苦しみにも遭遇し、知らない者同士が勉強の悩みを共有して仲間を作りました。卒業テストに合格し、卒業式を迎えたあと、薬膳の分野で習得した知識を使い日本各地で活躍し、今も努力し続けています。

本草薬膳学院は学生の皆様のお陰で、初学者のための「中医薬膳師」コースから、現在は基礎・内科・婦人科・外科・小児科、経典、薬膳処方など研究科や特別講座や公開講座も開講しています。教室も東京・福岡・大阪・名古屋の4か所になり、今年度には広島教室も新規開校予定です。在校生も開校当初は東京の11名だけでしたが、現在では日本各地、海外受講生も含め、527名になりました。

そして卒業生はどのような活躍をしているか、いつも気に掛けていました。昨年、在校生のご要望もあり、「活躍する卒業生シリーズ」と題して講座を開きました。

初回は第5期卒業生の高田理恵さんに依頼し、「がんの中医学養生」というテーマで講演会を開きました。高田さんは漢方薬局を経営している薬剤師です。ご自分だけではなく、薬局の職員も、お嬢さんも本学院に入学させて勉強させました。高田さんは中医学や薬膳学の知識でがんをはじめ、いろいろな慢性病の漢方相談を行い、病気の治療とともに病から回復するための養生も行っています。また「未病を治す」という未病医学の視点から病気にならないための養生の講演会も十何年も開催しています。症例から中医学、薬膳学の対応や養生を説明し、休憩時間には楽器の演奏も披露されました。がんの発病が多い今の時代に、参加者に実践的な多くの知識を与え、「大変役にたった」と皆様からご好評を得ました。

今年の1月、第2回目の講座はテレビで活躍されている第23期卒業生の麻木久仁子さんにお願いしました。麻木さんは、多忙な芸能生活の中、48歳で脳梗塞を、50歳で両側の乳癌と診断されました。手術や放射線治療を行い、回復の期間に食事と生活を見直し、さまざまな食事療法を経験した後、薬膳に着目し中医薬膳学に出会いました。そして本学院に入学し、基礎から専門家を目指して本格的に中医薬膳学を学びました。2016年卒業後、「国際薬膳師」を取得、更に学びを深め、2019年には「国際中医師」を取得されました。お話の中で麻木さんご自身の学習方法などを紹介し、在校生にエールを送りました。講演後は参加者と写真を撮ったり、著書にサインをしたりとにぎやかな講演会でした。

また、講義を聞いて10代からさまざまな困難を乗り越えて、成功を収めた彼女の奮闘話にとても感動しました。

中医薬膳学は卒業生に新しい力を授け、仕事の幅や人生の見方が広がったことを嬉しく思い、その知識によって更に活躍されているその努力に感動しました。

尚、高田理恵さんの「がんの中医学養生」の講演会はキャンセル待ちが出るほどの人気だったため、5月23日(土)に再び講演会を開催予定です。ご興味のある方は、お問い合わせください。

 

扁鵲(へんじゃく)さんの妹!?

2月に入り、各教室の通学生は卒業実力テストを迎えました。私も一年の中で最も忙しい時期に入り、新規開校予定の広島教室の説明会や各教室の試験のため、飛行機や新幹線に乗って、広島、福岡、大阪、名古屋を回りました。また徳山(山口県)の病院へも今後の薬膳普及のために行ってきました。

入学してから一年間、中医薬膳学の学習をどこまで学生たちが理解し、覚え、応用できるようになっているでしょう?各教室の卒業間近の学生たちはいくつかのチームに分かれて事前に集まり、テストの症例について討論を重ね、各症状を弁証し、意見をまとめて証を決め、立法、材料を選んで薬膳のレシピを作りました。テストは学生数名ごとのチームに分かれ、発表形式で行います。病因・病機・症状分析・立法・処方と自信満々に説明する学生さんの顔を見て、すごく嬉しかったです。本草薬膳学院に入学したばかりの頃、厚い教科書、読めない漢字、奥深い理論、次から次へとある宿題提出に多くの学生が学習は最後まで続けられるかと自信なさそうにしていました。それが一年経ち、こんなに立派に発表できたことをとても喜んでいます。

学生の皆さん、本当によく頑張りました。先生方はよく教えました。皆に感謝します。

教室は各地にありますが、試験問題は同じです。全部で14のチームができ、弁証施膳によって、いろいろな食薬を使って、たくさんの薬膳処方が作られましたが、一つも重複していなかったことに感心しました。理に叶う作品はすべて見た目が綺麗で美味しかったです。

また今年は学生たちのチーム名も面白かったです。「扁鵲さんの妹」チームは、古代の起死回生の名医である扁鵲さんを目指して中医薬膳学を勉強し、人を助けるという気持ちを表現しています。「トゥーランドット」チームはアラビアの『千夜一夜』という王女と王子の愛の物語に由来し、中国では『千夜零一夜』または『天方夜譚』という書名です。こちらは薬膳を通じて家族と社会に愛を広めることを望んでいる学生たちの気持ちが充分に感じられました。また別のチームは「潜龍」とつけました。『易経』に出てくる龍の名前で、薬膳の現状はまだ出世していない水の中に潜み隠れている龍のようだけれども、いつか天に昇り世の中に認められ盛んになることを望んでいる気持ちを表したものでした。学生の中には本当に文学の達人がいます!中医薬膳学に対する情熱に驚きました!

また、中医学理論に叶う「気血津液」「精神安定」、薬膳の道を歩んでいく「本気で薬膳」「薬膳は続くよどこまでも」、今年のオリンピックに合わせた「七輪の口福」、学生のお仕事に合わせる「サルシッチャ」「釈迦力」など面白いチーム名もありました。薬膳を通じて志を同じくする友だちができたと深い印象が残りました。