女性のカラダ②は月経。
女性の主な生理特徴は月経・妊娠・出産・授乳です。
月経とは、月1回、周期性の子宮出血のこと。
『本草綱目』という古典に、“女子、陰類也、以血為主、其血上応太陰、下応海潮、月有盈虧、潮有朝夕、月事一月一行、与之相符、故謂之月信、月水、月経”とあります。
- 生理現象 :
初潮 : 初めての月経。 平均12歳が初潮で約35年間続く。
絶経 : 月経停止。 49歳頃閉経となる。
月経周期 : 月経出血の第1日目は月経周期の1日目。 2回月経出血の第1日目の間隔は月経周期という。 普通は28日間。 21日~35日間以内
月経期間 : 3~7日間
総出血量 : 50~80ml
出血の状態 : 濃い赤~薄い赤、固まりはない、異臭はない
合併症状 : 軽度の情緒不安、乳房脹痛、小腹部疼痛、腰のだるさ
特別月経 :①并月 : 2ヶ月に1回
②居経或いは季経 : 3ヶ月に1回
③避年 : 1年に1回
④暗経 : 一生無月経であるが、妊娠が出来る
⑤激経 : 妊娠しても月経が月ごとに来る -
月経のメカニズム :
『黄帝内経』の「上古天真論」には、“女子七歳、腎気盛、歯更髪長、二七而天癸至、任脈通、太沖脈盛、月事以時下、故有子……七七任脈虚、太沖脈衰少、天癸絶、地道不通、故形壊而無子也”とあります。
これは、月経の来潮は腎気、天癸、臓腑、気血、経絡などの協調が重要であることを述べているものです。①天癸と月経 :
天癸(性腺発育を促す物質、生長ホルモンや性ホルモンに類似)は成長・発育・生殖に影響する腎精。 その源は両親の気を受け継ぎ、腎気により作られ、水穀精微(食物の営養物質のこと)の滋養により成熟し分泌される。 腎気の衰弱により天癸は絶えてしまう。 男女ともに天癸を持っている。②臓腑と月経 :
主に、腎肝脾が重要。腎 : 腎者、主水、受五臓六腑之精而藏之。 腎は先天の本で、精を貯蔵し腎陰と腎陽を生じる。 精から血に変化し、月経の基本物質となる。 腎陰により、成長・発育・生殖を司り、腎陽により天癸の発生を促進し、天癸の断絶にも関わる。 腎精は骨髄を生じて脳を充実させるので、月経の調節にも関わる。
肝 :蔵血(血を貯蔵)の働きにより、血量を調節する働きを持っている。 この働きは肝の疎泄により正常を保つ。
脾 : 後天の本(後天的な生命の源)で水穀精微を運化し、気血を作る。 気により血が血管に流れ、血によって月経を充実する。
胃 : 水穀の海(食物を受け入れる器官)で、気血が豊かな腑で月経の量を保ち、産後の母乳の提供にも関連する。
心 : 血脈を司るため、心気により血が流暢に胞宮(子宮)に流れ込んで月経の正常を保つ。
肺 : 全身の気を司り、血の流れの基本となる。
③気血と月経 :
血は月経の出血の基本となり、気は月経の血を運行の力となる。④経絡と月経 :
衝脈 : 衝脈は“五臓六腑之血海”といわれる。 十二経絡の経気を調節する。
任脈 : 陰経と膻中に集まり、精・血・津液を司るため、妊養の意味も含まれる。 任脈の流れがよければ、月経の来潮、妊娠ができる。
督脈 : 督脈は一身の陽脈を監督し、陽脈の海といわれ、任脈と一緒に陰陽の脈を調節し、月経の正常を保つ。
帯脈 : すべての経絡を管理し、正常運行を保つ。
衝脈は血海で、任脈は胞胎を司り、督脈は監督し、帯脈は管理し、月経の正常を保つ。