子宮筋腫は女性によくある良性腫瘤で、中年女性の発病率が高いです。 筋肉と繊維組織でできた筋腫は球形で大きさがそれぞれ、多発性があり、悪化することは少ないです。 子宮筋腫は子宮のいろいろなところに発生し、大きく分けると筋層内筋腫、漿膜下筋腫、粘膜下筋腫が最も多く、95%を占めます。 中医学では「癥瘕(ちょうか)」に属します。
癥(ちょう):固まりが硬い、場所が固定不移、揉んでも散らない。
瘕(か):固まりがあり、場所が固定しない、揉んだら散る。
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症状
子宮筋腫は特別な症状はないが、
- 月経痛
- 月経時の出血が多くなり、長くなる
- 下り物が多くなる
- 筋腫が大きくなると下腹部を触ると、しこりを感じるようになり、圧迫感がある。
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治療
子宮筋腫の治療として、対症治療を中心とし、止血剤・鎮痛剤・補血剤を用います。 ひどくなるとホルモン療法を行い、エストロゲン(女性のホルモン)の分泌を抑えて、人工的に閉経状態にして、筋腫を小さくしていきます。 最後の手段として手術で筋腫を摘出します。
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メカニズム
気滞 : 肝気鬱結 ⇒ 気血運行の不調 ⇒ 衝脈・任脈を阻滞
血瘀 :
- 気血運行の不調 ⇒ 衝脈・任脈を阻滞
- 憂思傷脾 ⇒ 気虚血瘀
- 産後胞宮空虚 ⇒ 寒邪侵入
- 産後余血未尽 ⇒ 性の生活の不注意 ⇒ 邪気の侵入 ⇒ 邪血相争
痰湿阻滞 : 脾虚・痰湿体質・飲食不節 ⇒ 運化失調 ⇒ 水湿内生 ⇒ 聚而生痰 ⇒ 阻滞胞宮
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治療
1.気滞
【症状】
小腹部の固まり、疼痛が移動性、場所が固定しない、揉んだらなくなる。 胸悶、生理不順、舌苔薄潤、脈沈弦
【立法】
行気活血散結
【方剤】
香棱丸(木香 丁香 枳殻 三棱 莪朮 青皮 川楝子 小茴香)
加減 : 海藻 昆布 橘核 夏枯草
2.血瘀
【症状】
小腹部の固まりが硬い、疼痛が固定拒按。 生理不順、舌質黒・瘀点、脈沈渋
【立法】
活血去瘀散結
【方剤】
桂枝茯苓丸(桂枝 茯苓 牡丹皮 桃仁 芍薬)
3.痰湿阻滞
【症状】
小腹部の固まり、硬くない、疼痛時作、下り物が多い・色が白・粘り、胸悶、吐き気、舌苔白膩、脈細濡或いは沈滑
【立法】
燥湿化痰・軟堅散結
【方剤】
蒼附導痰丸(蒼朮 香附 天南星 枳殻 半夏 陳皮 茯苓 甘草 生姜 神曲)
加減 : 海藻 昆布 橘核 夏枯草