血・津液・精といった陰液の不足
肝陰虚体質と密接に関係する季節は春です。 もともと春は、肝が疏泄し、肝に貯蔵されている血が血流を調節して提供されるため、血が消耗され、血虚・陰虚を招きます。 肝陰虚体質の場合、さらに苦しくなるため、春には肝陰を補う必要があります。 また、肝は熱を生じやすいため、清熱する必要もあります。
【症状】
目のかすみ・乾燥、視力の低下、頬や目が赤くなる、熱感、のぼせ、のどの渇き、ときどき脇肋部の熱感・痛み、手足の裏が熱い、寝つきが悪い、寝汗をかく、手足のしびれ、舌が紅色・津液が少ない、脈が弦・細い・速い
【分析】
陰虚体質・精神的な素因・慢性病・慢性的な失血によって肝陰不足となり、肝陰血が不足して養うことができず、目のかすみ・乾燥、視力の低下、手足のしびれが現れ、肝の経絡の流れも悪化して、脇肋部の熱感・痛みが現れ、肝陰虚に伴って熱が出て、手足の裏が熱い、寝つきが悪い、寝汗をかくといった症状が現れる。
【立法】
滋陰清熱柔肝
【食材】
肝経の滋陰類 : 小松菜・アスパラガス・松の実・黒ごま・鶏卵・ウズラの卵・馬肉・烏骨鶏・ロバ肉・チーズ・スッポン・アワビ・カキ・マテ貝・ムール貝・ホタテ貝・いちご
肝経の清熱類 : じゅんさい・スベリヒユ・タンポポ・マコモ・トマト・シジミ・カラス貝・カニ
【中薬】
肝経の滋陰類 : 女貞子・桑椹・枸杞子・亀板・鼈甲
肝経の清熱類 : 荷葉・山梔子・穀精草・夏枯草・生地黄・牡丹皮・紫草・青蒿