産後の病気②―悪露不絶

 産褥期に陰道から排出される血性液体は産後約2~3週間内できれいになります。 この時間を越えても排出があることは悪露不絶といいます。

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1.原因

気虚
虚弱体質、お産の時に血を失ってしまうと同時に気も消耗される
産後、早いうちに労働し、脾を傷め、衝任不固、気虚により摂血が低下になる

血熱
陰虚体質、お産の時に陰血をさらに失ってしまって熱が生じる
産後、辛熱温燥のものの取りすぎ
熱邪の侵入
肝鬱が化熱する

血瘀
産後胞脈空虚、寒邪が侵入 ⇒ 寒凝血瘀
胞衣残留 ⇒ 血不帰経

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2.治療

1.気虚

悪露不止、量が多い、色が薄い・希薄、無臭、小腹部空堕、疲れ、少語、顔色が白、舌質淡、脈緩弱

立法 :
補気摂血

方剤 :
補中益気湯(人参 黄耆 炙甘草 当帰 柴胡 白朮 陳皮 升麻)

 

2.血熱

悪露不止、量が多い、色が赤い、質が粘濃、臭い、顔色が紅い、のどが乾燥、舌質紅、脈虚細略数

立法 :
養陰清熱・涼血止血

方剤 :
保陰煎(生地黄 熟地黄 山薬 白芍薬 続断 黄芩 黄柏 甘草)

 

3.血瘀

悪露不下、あるいは悪露が少ない、色が黒、塊がある、小腹部疼痛拒按、舌質黒瘀点、脈弦渋・沈有力

立法 :
化瘀止血

方剤 :
生化湯(当帰 川芎 桃仁 炮姜 炙甘草)
加える : 益母草・炒蒲黄