多汗①

汗でお悩みの方も多いと思います。

多汗
陰陽失調によって皮膚毛穴の開合機能が失調して起こる、発汗の異常

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 原因とは関係なく、昼間の発汗を「自汗」、眠っているうちに発汗し、目が醒めると止まるものを「盗汗」といいます。

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古典にみる汗

 『丹渓心法』自汗篇には「自汗は気虚・血虚・湿・痰に属する」とあり、同書の盗汗には「盗汗は血虚・陰虚に属する」と述べられていて、汗に関しての基本的な認識を示しています。

 『景岳全書』汗証篇には「自汗・盗汗にはそれぞれ陰証・陽証の両種類がある。 自汗なら必ず陽証とはいえない、盗汗なら必ず陰証ともいえない」と書かれていて、汗証については、弁証が重要であることを強調しています。

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原因

 自汗・盗汗の原因は外感*による発汗とは違い、内傷*が中心です。

  • 肺気不足 : 虚弱体質・病気の回復期あるいは慢性の咳で肺気虚弱 ⇒ 肺の皮膚と毛孔を主る働きがダウン ⇒ からだの表面が固められない ⇒ 汗

  • 邪熱内蒸 : 感情の鬱結 ⇒ 肝気が疏泄出来ない ⇒ 熱が発生
    塩辛いもの・脂っこいものの食べすぎ ⇒ 肝火・胃熱が旺盛に ⇒ 痰熱が発生 ⇒ 汗(熱を発散するため)

  • 営衛不和 : 虚弱体質や、不眠症 ⇒ 陰陽がアンバランス ⇒ 衛気のからだを守る働きがダウン ⇒ 汗

  • 陰虚火旺 : 過労・熱病の回復期・陰虚体質 ⇒ 体内の陰液不足 ⇒ 虚火 ⇒ 汗(内熱を発散するため)

  • 血虚気虧 : 喀血・嘔血・血便・生理の出血・けがなど ⇒ 気虚 ⇒ 発汗異常

 自汗が長くなると陰液を消耗 ⇒ 盗汗
 盗汗が長くなると陽気を消耗 ⇒ 自汗

 肺気不足・営衛不和・陰虚火旺・血虚気虧の汗は虚証が多く、邪熱内蒸の汗は実証です。

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汗の生成

汗の生成

 

 汗の生成には精・津液・血液・気が関わっていますが、五臓にも密接なつながりがあります。

 津液と血は腎に貯蔵されている精の化生と、脾の運化作用によって飲食物から作られた水穀精微からできます。 肺の宣発の働きにより津液と血が皮膚を通して汗として排泄され、体温を調節。 この過程において、肝の疏泄発散の働きも、正常な発汗に重要な役割を果たしています。