昇・降・浮・沈=食材の作用のベクトル

昇・降・浮・沈とは、食材が作用する方向のことです。

  1. 昇・浮 : 上昇・発散の意味です。
    陽気を上昇させ、風寒邪を取り除く、吐かせる(八法の1つ)、開竅するという効果を持ちます。
    辛・甘の味、温熱性のもの、花や葉っぱのような軽いものは昇浮の傾向があります。
    例えば、菊や薄荷は花・葉で軽くて上昇するので、頭痛の時によく使います。
  2. 降・沈 : 下降・泄利の意味です。
    排便・排尿の促進、熱冷まし、利尿、湿気の排泄、重たいもので鎮めて精神を安定させる、陽を鎮め、めまい・ふるえ・痙攣などの状態を改善する、消化不良の改善、吐き気を止める、引き締める、咳止めの効果を持ちます。
    酸・渋・苦・鹹の味、寒涼性のもの、茎・根・実・石・貝類のような重たいものは降沈の傾向があります。
    例えば、牡蠣は重たくて下降、「鎮静安神」の効果があるので、不眠の時によく使います。

 

作用方向 昇浮 降沈
意味 上昇・発散 下降・泄利

作用

陽気を上昇させ、
風寒邪を取り除く

吐かせる

開竅する

熱を清める

咳止め、安定

健胃、利尿

排便・排尿を促進

四気 温・熱 寒・涼
五味 辛、甘 酸(渋)、苦、鹹
種類 葉、花 茎、根、実、石、貝
菊、薄荷 大根、ごぼう