薬膳では、食べ合わせが禁止されている組み合わせがたくさん‼
例えば、豚肉と生姜、柿と緑茶、きゅうりとトマトなど、普段私たちが組み合わせているものも実はNGなのです。
ただし、それらをご紹介するのは、無理があるので、今回は体質や病気、妊娠中などの際の禁止食材をご紹介します。
■体質■
①陰虚タイプ
禁忌の性味 : 温性・熱性、辛味・苦味
禁忌の食材 : 葱、生姜、にんにく、にら、らっきょう、唐辛子、鶏肉、羊肉
②陽虚タイプ
禁忌の性味 : 涼性・寒性、苦味・鹹味・淡味
禁忌の食材 : 苦瓜、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、りんご、すいか、緑茶、生もの
③血虚タイプ
禁忌の性味 : 涼性・寒性、苦味・辛味
禁忌の食材 : 苦瓜、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、りんご、すいか、緑茶、生もの
④気虚タイプ
禁忌の性味 : 涼性・寒性、苦味・辛味・鹹味
禁忌の食材 : 生もの、脂っこいもの、大根、ごぼう
⑤陽盛タイプ
禁忌の性味 : 温性・熱性、辛味・甘味
禁忌の食材 : 唐辛子、生姜、葱、牛肉、鶏肉、羊肉、酒
⑥血瘀タイプ
禁忌の性味 : 涼性・寒性、甘味・酸味・鹹味
禁忌の食材 : 苦瓜、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、りんご、すいか、緑茶、生もの
⑦痰湿タイプ
禁忌の性味 : 涼性・寒性、甘味・酸味
禁忌の食材 : 脂っこいもの、酒、甘いもの、果物、食べ過ぎない
⑧気鬱タイプ
禁忌の性味 : 涼性・寒性、酸味・甘味
禁忌の食材 : 消化しにくいもの、酸っぱいもの、芋類
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■病気期間■
中医学では、病気は陰陽のバランスの崩れ、気血の巡りの乱れ、津液の分散が悪く、寒熱・虚実・表裏・瘀滞などの証候(症状)が引き起こされると考えます。
病気の間は食べ物の禁忌が非常に重視されていて、例えば『黄帝内経素問・熱病第三十論』には、熱性の病気には、治りかけのときに、肉を食べると病気が繰り返され、食べ過ぎると下痢になる、と書いてあります。
①晩秋から春の間のかぜ : 涼・寒性のものを禁止する。
晩秋から春の間は寒冷の季節で、かぜを引き起こす邪気は寒邪が中心となります。辛・温の生姜、葱、紫蘇、粥などを使って身体を温めて、邪気を取り除きましょう。
涼・寒性を持つものを使うと邪気を助け、正気を傷めることになってしまいます。
②春から早秋の間のかぜ : 温・熱性のものを禁止する。
この季節には風・暑のような温熱性の邪気が盛んになり、体内に侵入すると津液を傷めるので、涼・寒性の菊花、ミント、ドクダミ、すいかのようなものを使って熱を清め正気を助けるべきです。
邪気を助ける温熱性のものを禁忌とします。
③梅雨の間のかぜ : 涼・寒性のものを禁止する。
梅雨の間には湿の邪気によって起こされる病気が多いので、涼・寒性のものは陰邪に属する湿邪を助けてしまいます。これらを禁忌にします。
④冷え性の病気には涼・寒性のものを禁止する。
身体の冷え、腹部・足腰の疼痛・冷え、生理痛、慢性下痢と浮腫などの冷え性の病気は、身体を温めて陽気を助ける必要があります。
鶏肉、羊肉、にんにく、唐辛子、酒のような温・熱性のものを取り入れましょう。
サラダ、果物、刺身などの涼・寒性のものを禁忌とします。
⑤ほてりなどの病気 : 温・熱性のものを禁止する。
熱あるいは熱がり、汗をよくかく、のぼせ、ほてり、便秘などの病気にはカレー、酒、海老、魚、唐辛子、にんにくのような温・熱性のものを禁忌とします。
⑥血瘀の場合 : 涼・寒性のものを禁止する。
血瘀の原因は複雑ですが、物理的に考えると涼・寒性のものはもっと凝りやすいので、遅れている血流と固まった瘀血を溶かすために温・熱性のものが必要です。
⑦気鬱・気滞の場合 : 涼・寒性のものを禁止する。
気鬱・気滞の病気の原因はストレスによって気分が落ち込んだこと。
温・熱性の食材で発散する必要があります。
涼・寒性のものは発散にはよくないので禁忌とします。
⑧痰湿・浮腫の場合 : 涼・寒性のものを禁止する。
痰湿・浮腫には脾虚・腎虚の原因が多いのです。
芋類、ドライジンジャー、鶏肉、海老、みかんの皮のような温・熱性の食材で腎を温めて脾を健やかにする必要があるので、涼・寒性のものを禁忌とします。
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■治療期間■
治療期間には薬の効果を保つ あるいは 高めるために食事制限をすることは昔から重視されています。
例えば、『傷寒雑病論』には、風寒の冷える病気に関して薬を飲んでから粥を食べるよう書いてあります。温かい粥によって正気をアップさせ、薬を助け、微汗を出すと同時に邪気を取り除くのです。
従って、冷たいもの、消化しにくいもの、刺激性があるものは薬の効果に影響があるので禁忌とすべき、と書いてあります。
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■妊娠期間■
妊娠すると身体が変化します。赤ちゃんが育つためにお母さんの身体が血虚&熱くなりやすいので、禁忌とすべきものは辛いもの、冷たく消化しにくいもの、特に毒性のもの、作用が激しいもの、経絡の気血を通りやすくするもの、瘀血を解消するもの、気を通すもの、滞りを解消するものです。
例えば、お母さんが辛熱の生姜、羊肉、スズメを食べると赤ちゃんに熱がこもって目とのどの病気が発生しやすくなります。寒涼性のかにを食べ過ぎると流産するリスクが上がるので禁忌とすべきです。