昇・降・浮・沈とは、食材が作用する方向のことです。
- 昇・浮 : 上昇・発散の意味です。
陽気を上昇させ、風寒邪を取り除く、吐かせる(八法の1つ)、開竅するという効果を持ちます。
辛・甘の味、温熱性のもの、花や葉っぱのような軽いものは昇浮の傾向があります。
例えば、菊や薄荷は花・葉で軽くて上昇するので、頭痛の時によく使います。 - 降・沈 : 下降・泄利の意味です。
排便・排尿の促進、熱冷まし、利尿、湿気の排泄、重たいもので鎮めて精神を安定させる、陽を鎮め、めまい・ふるえ・痙攣などの状態を改善する、消化不良の改善、吐き気を止める、引き締める、咳止めの効果を持ちます。
酸・渋・苦・鹹の味、寒涼性のもの、茎・根・実・石・貝類のような重たいものは降沈の傾向があります。
例えば、牡蠣は重たくて下降、「鎮静安神」の効果があるので、不眠の時によく使います。
作用方向 | 昇浮 | 降沈 |
意味 | 上昇・発散 | 下降・泄利 |
作用 |
陽気を上昇させ、 吐かせる 開竅する |
熱を清める 咳止め、安定 健胃、利尿 排便・排尿を促進 |
四気 | 温・熱 | 寒・涼 |
五味 | 辛、甘 | 酸(渋)、苦、鹹 |
種類 | 葉、花 | 茎、根、実、石、貝 |
例 | 菊、薄荷 | 大根、ごぼう |