うつのための薬膳

うつに対しては、薬よりも日常生活に気をつけて精神状態を調えるように努力したり、食生活の調節をすることの方が効果的。 薬膳処方を作るときは、肝気の疏泄をはかることが最も重要です

 

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鬱証全般

【共通の症状】
気分が落ち込む・反応が鈍い・言葉や動作が減る・疲れを感じる・怒りや不満がたまる・やる気が出ない・絶望感や孤独感が強い・思考能力の低下・緊張や不安が高まる・神経質になる・躁とうつが交互に現れる・頭痛・ため息・脇肋が脹れて痛む・睡眠障害・食欲がない・自殺傾向がある
舌色が白い・脈が弦

【分析】
ストレスなど七情失調が原因で、情緒を調節する肝の働きと、精神・意識を主る心の働きが不調となり躁鬱状態に陥ります。 主に気機の巡りと精神状態に影響を与えます。 肝鬱や、肝気の昇発が盛んになりすぎることにより痛みの症状が出ます。 心神不寧により思考能力の低下・睡眠障害などの症状が現れます。

【立法】
疏肝解鬱・養心安神

【食材】
疏肝理気 : そば・大根・かぶ・香菜・大葉・らっきょう・なた豆・えんどう豆・みかん・オレンジ・ジャスミン
行気化痰 : 里いも・からし菜・大根・かぶ・らっきょう・へちま・たけのこ・みかん・オレンジ・文旦
益気養血 : うるち米・黒米・山いも・じゃがいも・にんじん・ほうれん草・小松菜・干ししいたけ・ぶどう・ライチ・ピーナッツ・栗・鶏肉・牛肉・豚ハツ・いか
滋陰安神 : あわ・白菜・セロリ・せり・トマト・きゅうり・牛乳・鴨肉・豚肉・豚足・牡蠣・あわび・ほたて

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肝気鬱結タイプ

【症状】
共通の症状 + めまい・のぼせ・咳嗽・喘息・下腹部の脹痛・しゃっくり・げっぷ・生理不順・生理痛・生理前(生理中)の乳房の脹痛
舌苔が白くてじゅくじゅくしている・脈が弦

【分析】
ストレスや精神的な疲れにより肝気の巡りが停滞してしまう症状、または肝気の昇発しすぎによるめまい・のぼせなどがみられます。

【立法】
疏肝解鬱・行気止痛・順気降逆

【食材】
そば・えんどう豆・らっきょう・なた豆・大根・香菜・大葉・みかん・オレンジ・ジャスミン

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気鬱化火タイプ

【症状】
共通の症状 + めまい・耳鳴り・目が赤い・口が苦い・のどが渇く・不眠または悪夢・胸脇灼痛・吐血・鼻出血・尿が黄色い・便秘
舌が紅色・舌苔が黄色・脈が弦で速い

【分析】
肝気鬱結が長引くと、肝火に変化します。

【立法】
疏肝理気・清熱瀉火

【食材】
あわ・きゅうり・ゴーヤ・なす・トマト・白菜・セロリ・せり・すいか・さとうきび・梨・緑豆・茶・豆腐

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気滞痰鬱タイプ

【症状】
共通の症状 + のどの異物感・胸悶
舌の苔が白くてじゅくじゅくしている・脈が弦で滑る

【分析】
肝気鬱結により津液の代謝が悪くなり、痰湿が生まれ、気機の巡りをさらに悪化させます。 「梅核気」というのどの異物感症状があります。

【立法】
理気解鬱化痰

【食材】
春菊・大根・ごぼう・里いも・らっきょう・へちま・たけのこ・からし菜・みかん・オレンジ

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心神不安タイプ

【症状】
共通の症状 + 精神不安・心悸・泣いたり憂えたりする
舌苔が薄白・脈が弦で細い

【分析】
虚弱体質・慢性の病気・ストレスなどにより心気不足・心血虚の症状が起こり、神志を主る働きが低下します。

【立法】
養心安神

【食材】
小麦・ピーナッツ・にんじん・ほうれん草・小松菜・ぶどう・ライチ・豚ハツ・いか・牛乳・牡蠣・ほたて

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心脾両虚タイプ

【症状】
共通の症状 + 心悸・夢をよくみる・めまい・物忘れ・顔色が淡白または萎黄・四肢の疲れ・下痢・汗
舌色が淡く舌苔が白い・脈が細くて弱い

【分析】
脾気虚・心血虚により気血両虚の症状が起こります。

【立法】
健脾養心・益気補血

【食材】
うるち米・にんじん・長いも・じゃがいも・ぶどう・ライチ・ピーナッツ・栗・干ししいたけ・豚ハツ・鶏肉・牛肉・いか・たこ

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陰虚火旺タイプ

【症状】
共通の症状 + めまい・心悸・夢をよくみる・腰痛・足腰がだるい・生理不順
舌が紅色で津液が少ない・脈が細くて速い

【分析】
虚弱体質や慢性の病気により、うつ状態が長引くと、腎陰不足・心火旺盛の症状が起こります。

【立法】
滋陰盛熱・鎮心安神

【食材】
あわ・梨・きゅうり・トマト・白菜・セロリ・せり・緑茶・黒ごま・豆腐・卵・牛乳・鴨肉・豚足・すっぽん・いか・牡蠣・マテ貝・ムール貝・ほたて

 

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うつのケア方法

うつのケア方法もシーズンによって異なります。 シーズンごとのケア方法を覚えておきましょう。

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 五行学説では春は木に属し、また臓腑では肝に相応します。 「怒り」は肝の感情の表現で、春は怒りやすい季節。
 春のケアは、心を広く持って愉快な気分を保ち、欲求や希望をのびのびと成長させること♬ この成長に役立つものを抑えたり奪ったりしてはいけません。 できるだけ怒ることは避けましょう。

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 五行学説では夏は火に属し、また臓腑では心に相応します。 「喜び」は心の感情の表現。
 夏のケアは、感情を安定させて度量を大きく持ち、快く元気で明るい外交的な性格を育てましょう。 焦ったり怒ったりしてはいけません。

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 五行学説では秋は金に属し、また臓腑では肺に相応します。 肺は潤いを好み、肺が潤うと肺気の上げ下ろしが順調になります。 悲しみや憂いという感情は肺と関係の深い表現。 秋は寂しくなりやすいのです。
 秋のケアとしては、悲しみや憂いといった、マイナスの情緒を克服して、楽観的な情緒を育てましょう。

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 五行学説では冬は水に属し、また臓腑では腎に相応します。 恐れや驚きは腎の感情の表現。 寂しくなりやすく、うつにもなりやすいのです。
 自然界は冬になると万物の陽気を潜伏させます。 また寒いので陰気が旺盛になります。 冬のケアとしては、からだも陽気を収斂するため、陽気を補養して翌年の春の生発を有利にするように、精神の安静を求めましょう。 いつも明るい楽しい気持ちで過しましょう。

 

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