夏かぜ―季節のかぜ・夏編

夏かぜ

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【証侯分析】

夏は暑が主な節気であり、五行の火に属し、五臓六腑の心に通じています。 邪気は暑邪です。 暑邪は陽邪で炎熱・上昇・発散という特徴があり、気血・津液を消耗するので、水分不足の症状がみられます。

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【症状】blue-sky-196230_1920

熱・顔が赤い・多汗・口が渇く・尿が少ない。 舌苔が黄色い・脈洪大

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【ケア】

  1. 清熱解暑
  2. 生津止渇

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sunflower-1533690_1920【おすすめ食材】

あわ・セロリ・せり・白菜・にがうり・マコモ・きゅうり・トマト・レタス・緑豆・すいか・りんご・キウイフルーツ・梨・ココナッツ・パイナップル・茶

九層之台起於累土、千里之行始於足下~日本での中医薬教育の心得~③

 国際的にも本校は創設以来中国と友好関係を築いており、毎年の薬膳の旅では現地の大学と交流し、中国の中医学や食文化と触れ合っています。 これまでにシルクロードの陝西・新疆・甘粛、南方の桂林・昆明・麗江・西双版納・広州、四川省・南京・北京・河南、韓国などを訪問し、上海中医薬大学・陝西中医学院・新疆医科大学中医学院附属医院・雲南中医学院・南京中医薬大学・成都中医薬大学・北京中医薬大学・河南中医学院と交流してきました。 2005年・2009年・2010年には韓国霊山大学・北京中医薬大学・河南中医薬大学などと提携校の契約を交わしました。第5回国際養生料理コンテスト

 2006年には、東京で「薬膳と食生活国際学術シンポジウム」を開催し、日本・中国・韓国・台湾の代表250人が参加しました。

 振り返ってみると、14年間、私たちは薬膳の教育、薬膳の宣伝・普及など多くの活動を行ってきました。 いろいろな困難をのり越えて学校も発展してまいりました。

 創立以来14年間、本草薬膳学院は先生たちのご支援と、卒業生ならびに学生の皆様のご協力によって基盤を作ることができました。 ここに皆様に心から感謝します。

 老子が曰く「九層之台起於累土、千里之行始於足下(千里の行も足下より始まる)」。 昔、中国では9が最高の数字でした。 9階建ての城も、もとは少しの土を積んだところから始まる、千里の道を行くのも足もとの一歩から始まると教わっています。 唐の時代の名医孫思邈氏曰く“上医医未病、中医医欲病、下医医已病”、医者は上医・中医・下医という3つのレベルがあります。 下手な医者は病人を治療する、中レベルの医者は病気にかかる段階を治療する、上手な医者は予防のために、未病に着手するということを示しています。 中医薬膳学は上医レベルを目指すことが、私たちの使命になります。 次にくる未来に向け、より深く中医薬膳学の真髄を究め、より弁証論治・弁証施膳の中医薬膳学の応用を求め、日本一の薬膳教育学校を目指して、同じ道を辿る仲間と共に努力して参りたいと思います。

産後の病気①

 c8e550d3330b9100ccdb38a2e9869ac5_s胎盤が娩出(べんしゅつ)後から母親の生殖器官が正常に回復の間を産褥期(さんじょくき)といい、約6週間がかかります。 この産褥期に発生する出産と関係する病気を産後病といいます。

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1.よく見られる産後病

子宮回復

気血損傷

母乳

感染

尿・便

腹痛

血暈(めまい)

欠乳(母乳不足)

発熱

小便不通

悪露不絶

汗証

乳汁自出

痙攣(痙病)

小便淋痛

 

抑鬱

 

 

※大便困難

 

血労

 

 

 

 

身痛

 

 

 

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2.産後病の原因

  1. 傷津亡血
    出産する時の出血、汗、局部の損傷、産後の哺乳などのことにより津液と血が消耗される。
    めまい・痙攣・発熱・血労・小便淋痛・大便困難を引き起こす。
  2. 元気損傷
    出産する時に力を使う、傷津亡血により気も消耗される、産後の子育てなどにより元気虧損、衝任不固を招く。
    小便不通・悪露不絶・乳汁自出・汗・発熱・血労を引き起こす。
  3. 瘀血内阻
    出産・出血による経絡を損傷し、胞衣不下などにより瘀血を引き起こす。 また、産褥期に風寒熱邪気の侵入により気血の流れが悪くなり瘀血の原因にもなる。
    腹痛・発熱・悪露不絶・抑鬱を引き起こす。
  4. 飲食不節、房室不節、情志不舒(しょ)、六淫邪気の侵入などの原因で、「産後百節空虚」という体の状態に陥り、わずかな不注意で産後病を引き起こす。

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3.産後病の治療原則

上述の原因により、産後「多虚多瘀」のメカニズムとなり、治療の方法として

  1. 補虚化瘀 : 益気補血により気血を補充し、瘀血を排泄する力をつける。
  2. 清熱解毒 : 産後の瘀血、毒素を排泄させる。
  3. 益気固表 : 肺気を補い、営血衛気を調和し、腠理を強固する。
  4. 補腎調肝 : 妊娠・出産・母乳による肝腎を消耗するため補充する。
  5. 消導健脾 : 気血を生化するものと補充する。

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4.治療中に注意すること

  1. 寒証の治療に温燥し過ぎないように
  2. 熱証の治療に寒涼し過ぎないように
  3. 解表の治療に発汗し過ぎないように
  4. 攻裏の治療に強し過ぎないように

補虚により邪気を滞らないように、攻邪による正気を傷をつけないように

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5.産後用薬の3つの禁忌

  1. 大汗を禁忌 ⇒ 陽気を傷める、亡陽の予防
  2. 下剤を強く使うことを禁忌 ⇒ 陰液を損傷する、亡陰の予防
  3. 通利小便を禁忌 ⇒ 陰液を損傷する、亡陰の予防

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6.産後の養生dumplings-632203_640

  1. 室内の温度を適度にする。
  2. 空気の通りが良い状態にする。
  3. 飲食は消化しやすい・陰陽のバランスが取れた食事、スープを多めにする。
  4. 冷たい、生もの、刺激性の食事を避ける。
  5. メンタルを良好に保つ。
  6. 産後3ヶ月以内の性生活を避ける。
  7. 陰部の清潔を保つ。
  8. 便通をよくする。