産後の病気③―発熱

 胎盤娩出(べんしゅつ)後から母親の生殖器官が正常に回復する期間を産褥期(さんじょくき)といい、約6週間がかかります。 産褥期の発熱症状を中心とした症状が産後発熱と診断されます。

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1.原因

  1. 感染邪毒 :
    産後 ⇒ 気血両虚 ⇒ 消毒・看護の不適切
    邪毒熾盛 ⇒ 営血侵入 ⇒ 産後の性生活
  2. 血瘀 :
    産後寒邪の侵入・ストレス ⇒ 衝任が阻滞され、悪露が排出不調 ⇒ 血瘀
  3. 外感 :
    産後 ⇒ 気血両虚 ⇒ 外邪の侵入
  4. 血虚 :
    お産の大出血 ⇒ 血虚 ⇒ 気が委付するところが不足で陽気が外に浮揚する

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2.治療

1.感染邪毒 :

高熱、寒くて震える、小腹部疼痛拒按、悪露量が多いか少ない、色が黒、臭い、煩燥、小便短赤、便秘、舌質紅、舌苔黄、脈数有力

立法 :
清熱解毒・涼血化瘀

方剤 :
解毒活血湯(連翹 葛根 柴胡 枳殻 当帰 生地 赤芍薬 紅花 桃仁 甘草)
加える : 金銀花 益母草

 

2.血瘀 :

寒熱時作、悪露不下、あるいは悪露が少ない、色が黒、塊がある、小腹部疼痛拒按、のどが乾燥し飲みたくない、舌質黒瘀点、脈弦渋

立法 :
活血化瘀・清熱和営

方剤 :
生化湯(当帰 川芎 桃仁 炮姜 炙甘草)
加える : 丹参 丹皮 益母草

 

3.外感 :

悪寒、発熱、頭痛、鼻が詰まる、体が疼痛、無汗、或いは咳、鼻水、舌苔薄白、脈浮

立法 :
養血去風・疎解表邪

方剤 :
荊防四物湯(当帰 川芎 地黄 芍薬 荊芥 防風)
加える : 蘇葉

 

4.血虚 :

産後出血が多い、微熱、汗、めまい、心悸、不眠、悪露が少ない、色が薄い、舌尖辺紅、舌苔薄白、脈虚細略数

立法 :
養血益気・和営退熱

方剤 :
八珍湯加減(人参 白朮 茯苓 炙甘草 黄耆 当帰 地黄 芍薬)

産後の病気②―悪露不絶

 産褥期に陰道から排出される血性液体は産後約2~3週間内できれいになります。 この時間を越えても排出があることは悪露不絶といいます。

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1.原因

気虚
虚弱体質、お産の時に血を失ってしまうと同時に気も消耗される
産後、早いうちに労働し、脾を傷め、衝任不固、気虚により摂血が低下になる

血熱
陰虚体質、お産の時に陰血をさらに失ってしまって熱が生じる
産後、辛熱温燥のものの取りすぎ
熱邪の侵入
肝鬱が化熱する

血瘀
産後胞脈空虚、寒邪が侵入 ⇒ 寒凝血瘀
胞衣残留 ⇒ 血不帰経

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2.治療

1.気虚

悪露不止、量が多い、色が薄い・希薄、無臭、小腹部空堕、疲れ、少語、顔色が白、舌質淡、脈緩弱

立法 :
補気摂血

方剤 :
補中益気湯(人参 黄耆 炙甘草 当帰 柴胡 白朮 陳皮 升麻)

 

2.血熱

悪露不止、量が多い、色が赤い、質が粘濃、臭い、顔色が紅い、のどが乾燥、舌質紅、脈虚細略数

立法 :
養陰清熱・涼血止血

方剤 :
保陰煎(生地黄 熟地黄 山薬 白芍薬 続断 黄芩 黄柏 甘草)

 

3.血瘀

悪露不下、あるいは悪露が少ない、色が黒、塊がある、小腹部疼痛拒按、舌質黒瘀点、脈弦渋・沈有力

立法 :
化瘀止血

方剤 :
生化湯(当帰 川芎 桃仁 炮姜 炙甘草)
加える : 益母草・炒蒲黄

黒米の八宝粥

気を補い、血を養う「補気養血」により、各種の貧血の改善が期待できます

黒米の八宝粥2

【材料(4人分)】
黒米 1/2カップ
米 1/4カップ
あわ 1/8カップ
ピーナッツ 25g
蓮の実 5g
干しぶどう 15g
乾燥百合根 5g
いんげん 5g
黒砂糖(お好みで適量)

【作り方】

  1. 百合は水に浸しておく。
  2. 水3カップにいんげん・ピーナッツを入れて火にかける。
  3. 2が沸騰したら蓮の実を加えて15分間煮てから黒米・米・あわ・百合根を加えて粥を炊く。
  4. 火を止める少し前に干しぶどうを入れる。 お好みで黒砂糖を加える。

【効能】
黒米 : 温甘/脾腎/滋陰養血・益肝明目・補腎健脳
ピーナッツ : 平甘/脾肺/養血・補脾止血・潤肺止咳
蓮の実 : 平甘渋/脾腎/補脾止泄・養心安神
ぶどう : 平甘酸/脾胃.健脾去湿

1人分 181 Kcal : たんぱく質 4.8 g/脂質 3.8 g/Ca 12.0 mg/Nacl 1.0 g