大腸実熱タイプ―陽盛シリーズ④

大腸に熱がこもっている

8904b7578d850ad192e756898c2dfcf4_s 大腸は、肺と密接に関係するため、乾燥する秋に肺と大腸の陰液が消耗して便秘になりやすいです。 そのため、秋には大腸を潤し、排便を促進する必要があります。 また、同じ腑に属する胃は、構造上、大腸とつながっており、胃熱は大腸の実熱体質と結びつきやすいです。

【症状】
のどの渇き、口が臭い、にきび、便秘、排便困難、便が悪臭、排泄してもすっきりせずときに腹痛、尿量が少ない、尿の色が濃い、舌が紅色、舌の乾燥、舌苔が黄色くじゅくじゅくしている、脈滑・速い

【分析】
食べ過ぎや食欲旺盛などの飲食の不節・慢性病に伴う陰液不足などが原因となって、腸内で火熱が旺盛となり、伝導が渋滞して、便秘・腹痛が現れ、濁気が上逆するとめまい、口臭、のどの渇き、にきびを起こす。

【立法】
清熱潤腸通便

【食材】いちじく&マンゴー
肺・大腸・胃経の清熱類 : きび・セロリ・白菜・山東菜・スベリヒユ・きゅうり・ズッキーニ・豆腐・湯葉・こんにゃく・ヒシ・茶葉・バナナ・さとうきび・マンゴー・メロン
瀉下類 : パイナップル・いちじく

【中薬】
肺・大腸・胃経の清熱類 : 芦根・竹葉・山梔子・天花粉・地骨皮・金銀花・敗醤草・青果

胃熱タイプ―陽盛シリーズ③

胃の働きが強盛

946ac249cd4ba98b00f5b1db779e5c5c_s 胃は、脾と関連し、五行学説では土に属し、万物が生存のために依存する基盤である土壌と同じく、体に営養を提供する臓腑です。 胃熱体質は、季節と関係なく、食欲旺盛・食べ過ぎなどの飲食の不節とかかわることが多く、口が臭い・歯が痛む・のどが渇くなどの症状が現れた場合に対応します。

【症状】
のどの渇き、口が臭い、冷たいものを好む、食欲が旺盛、多食、多飲、胃がつかえる、歯茎の出血・痛み、尿量が少ない、尿の色が濃い、便秘、舌が紅色、舌苔が黄色、脈滑・速い

【分析】
飲食不節・火熱邪気・ストレスなどが原因となって胃に熱がこもると、胃経が通るところののどの渇き、口が臭い、冷たいものを好む、歯茎の出血・痛み、食欲が旺盛、尿量が少ない、尿の色が濃い、便秘といった症状が現れる。 消化が早くなるので、多食、多飲となる。

【立法】
清胃瀉火

1a6b208869eabee19a115e47b9e18d1f_s【食材】
胃経の清熱類 : あわ・きび・小麦・大麦・セロリ・白菜・山東菜・水菜・じゅんさい・ヒユ菜・スベリヒユ・タンポポ・マコモ・苦瓜・きゅうり・ズッキーニ・トマト・緑豆・豆腐・湯葉・こんにゃく・ヒシ・すいか・バナナ・りんご・キウイフルーツ・マンゴー・メロン

【中薬】
胃経の清熱類 : 芦根・竹葉・淡竹葉・荷葉・山梔子・穀精草・天花粉

肝熱タイプ―陽盛シリーズ②

肝の働きが強盛

1cbc5a81b6b528bad53010393c92a7dd_s 肝は、五行学説では木に属し、火を生じる母です。 また、肝は春に通じており、肝陽を亢進しやすい特徴を持ちます。 そのため、肝熱体質の場合は、陽気上昇の春と陽気旺盛の夏に異常に熱を発生しやすいため、肝熱を抑える必要があります。

【症状】
顔色・目が赤くなりやすい、口の中が苦い、のどの渇き、胸脇部の痛み、胸やけ、イライラする、怒りっぽい、めまい、興奮すると頭痛が起こりやすい、不眠または夢を見る、中耳炎になりやすい、尿が黄色、便秘、舌が紅色、舌苔が黄色、脈弦・速い

【分析】
肝は情緒を調節するため、ストレス・思い込み・神経質などの精神的な素因によって、イライラする、怒りっぽい、めまい、頭痛などの症状が現れる。 鬱が関係の熱に変化して経絡に充満すると、頭・耳・目・脇に症状が現れる。 熱によって精神状態が興奮しやすく、不眠または夢を見る。62a0069a0520907105829d2b8cf45e28_s

【立法】
清肝瀉火

【食材】
肝経の清熱類 : じゅんさい・スベリヒユ・タンポポ・マコモ・トマト・シジミ・カラス貝・カニ

【中薬】
肝経の清熱類 : 荷葉・山梔子・穀精草・夏枯草・生地黄・牡丹皮・紫草・青蒿