腰痛は、日常生活で最もよくある症状の1つ。
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古典にみる腰痛
中医学では腰は「腎の府」と言われます。 また骨を主っているので、腰痛は腎とかかわりが深いのです。
経絡からみると、足の三陰経と三陽経、督脈・帯脈は腰を巡っているため、邪気が経絡に侵入したときも腰痛が起こります。
『黄帝内経素問』金匱真言論篇には、「北風は冬季に多く、病変は往々にして腎経に発生する……冬は痹証(リウマチなどの関節痛)や厥証の疾病が多い」とあり、季節との関係、また季節による病名などを記述しています。
漢の時代の『金匱要略』五臓風寒積聚病篇には「寒湿邪気が腎に侵入すると『腎著』という病気となる。 症状としては体重・腰の冷痛・腹部が重く感じる、などがみられる」と記載されていて、寒湿により腰に冷痛が起きる「腎著」という病気を説明しています。
『景岳全書』腰痛篇には、「腰痛が繰り返して起こる場合は腎虚は原因である。 雨にあったり、あるいは長時間座って発症する痛くて重い腰痛は湿によって起こる。 寒いと痛くなり、温めると良くなる腰痛は寒邪のためである。 熱によって痛みが現れ、冷やすと楽になる腰痛は熱邪が原因である。 うつや怒りで腰痛となるのは気滞である。 憂いにより痛くなるのは気虚腰痛で、労働により痛くなるのは肝腎虚弱の腰痛である。 腰痛は病因を弁証して治療を行うべきである」と記載されています。
『医学折衷参西録』腰痛篇には、「肝は筋を主り、腎は骨を主る。 腰痛は筋骨の病気で、肝腎の問題である」とあり、腰痛と肝・腎との関係を強調しています。
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