こどもの下痢

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傷食タイプ

 飲食の不摂生(過食や不潔な物の飲食)や、摂取した母乳の停滞により、脾胃が損傷され、消化不良を起こし、泄瀉が起こります。

【症状】
おなかの張り、腹痛、泄瀉前は腹痛のため泣きわめき、排便すると痛みは軽減する、大便は腐敗卵のようで腐臭も強い、未消化物を嘔吐するなど
舌色が赤色、舌苔が薄黄色

【治療原則】
消食化積・理気和中・止瀉(消化物を除去してつかえを通 し、脾胃の機能を整える)

【薬膳処方】

  1. 炒り山楂子・炒り麦芽・神曲を粉末にして、お粥に入れて飲む
  2. 山楂子とりんごのジュース : りんごの皮をむいて、小さく切る。 山楂子と一緒に煮て三温糖、塩を少々加える。

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脾虚タイプ

 平素体質が虚弱な人が生冷物を食べ過ぎるか、腹を冷やしたために起こります。 下痢を繰り返して、なかなか治りません。

 こどもは体質的に脾胃が虚弱傾向にあるため、先天(両親から受け継いだ生命エネルギー)の不足や後天の栄養不足、または冷たい物・甘い物の過剰摂取などが原因となって、脾胃が損傷して虚弱化 ⇒ 脾胃虚弱になると、消化機能が低下し泄瀉が起こります。 また、恐怖に遭ったり、激怒して泣き叫んだりすると、肝の気がのびやかさを失って停滞し、脾胃を損傷 ⇒ 脾胃虚弱となり、消化機能が失調しても泄瀉が起こります。

【症状】
泄瀉したり、止まったりを繰り返す または 泄瀉が長引き治りきらない、大便は稀薄または未消化物やミルク様の白い固まりが混じる、食事をするとすぐにそのまま大便として排出するなど
他に、顔色蒼白、目を半開きにして眠る、身体が痩せてくる、四肢が温まらない(四肢不温)など

【治療原則】健脾止瀉(脾の機能を立て直し、消化機能を増強させる)

【薬膳処方】

  1. いんげん・とうもろこしの粥
  2. 山いもと茯苓の粥

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脾腎陽虚タイプ

 慢性の泄瀉か、慢性疾患により脾腎陽虚となり、生命を維持するためのエネルギーが衰退すると、身体を温める働きが低下し、脾の運化作用、腎の気化作用(尿を生成する働き)が障害されて泄瀉が起こります。

【症状】
泄瀉が長引き止まらない または 下痢が明け方に起こる、大便は稀薄で未消化物が混じる、腹部が力なく軟らかいなど
他に、寒がり、四肢の冷え、食欲不振、身体が痩せる、浮腫、目を半開きにして眠る、脱肛、など

【治療原則】
補脾温腎(腎を温めて脾を健全にする)

【薬膳処方】
朝鮮人参とシナモンの粥

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下痢によく使う中薬

健脾益気 : 人参、黄耆、山薬、扁豆、大棗、飴糖、蜂蜜
健脾利湿 : 茯苓、薏苡仁
淡滲利尿 : 車前子、白茅根、とうもろこし、冬瓜
芳香化湿醒脾 : 藿香、佩蘭、砂仁、菖蒲
温胃散寒 : 肉桂、乾姜、小茴香、胡椒
理気止痛 : 橘皮、仏手、薤白
健脾消食 : 山楂子、神曲、麦芽、穀芽、莱菔子、雞内金