表熱(ひょうねつ):
体表に現れる熱。

表熱裏寒(ひょうねつりかん):
表とは皮膚・筋肉・経絡を指す。
裏は臓腑・血脈・骨を指す。
体表に熱があり臓腑には冷えが存在している病的な状態。

標本(ひょうほん):

  1. 正気は本、邪気は標。
  2. 症状は標、疾病の原因は本。
  3. 体内は本、体表は標。
  4. 慢性病は本、新病は標。
  5. 経絡学説における経絡の部位の上下を指す表現で、下部にあたる四肢を本とし、上部にあたる頭面部・体幹を標とする。
    十二経脈すべてに本部と標部がある。

標本緩急(ひょうほんかんきゅう):
<急なれば標を治し、緩なれば本を治す。>
急性あるいは致命的な症状がある場合には、まずそれらの症状に対処し、慢性の場合は疾病の原因を治療すること。
本を治すことで標はおのずと解決する。

標本兼治(ひょうほんけんち):
標本同治(ひょうほんどうち)ともいう。
標は疾病の症状、本は疾病の原因。
慢性病をもち、急性の発作が起きたときの治療法。
新病の症状を治療しながら慢性病の治療も同時に行うこと。

表裏(ひょうり):

  1. 表は皮膚・筋肉・経絡を指す。
    裏は臓腑・血脈・骨を指す。
  2. 八綱弁証の1つ。
    邪気の位置・病勢がはやく、病状が軽いものは表。
    邪気の位置が深く、病勢が遅く、病状が重いものは裏。

表裏伝(ひょうりでん):

  1. 邪気が皮膚・筋肉である体表から臓腑・血脈へ伝変する。
  2. 邪気が経絡を通じて臓腑の表裏関係によって伝変する。
    例えば、膀胱の疾病が腎におよぶ、胆の疾病が肝におよぶなど。

表裏転化(ひょうりてんか):

  1. 表証が正気不足・邪気強盛、治療看護の不当などの原因で、裏証に変わること。
  2. 裏証が正気充実、積極的な治療看護により次第に回復し軽症となり、表証に変わること。

表裏同病(ひょうりどうびょう):
邪気が表と裏に同時に侵襲すること。
表証と同時に裏証の症状も現れる重傷の状態。