夏と温病

2.営分証

 邪熱が血分に侵入した軽浅の段階で、血中の津液を耗損するとともに、心神を擾乱する病態です。 傷津はあるが、邪熱が血中の津液を蒸騰して口に上承させるために、かえって口渇がなくなります。 衛気が陰分に入る夜間に邪正相争がつよくなって症状が増悪し、邪熱により血液が濃縮されるので舌質が絳・脈が細数を呈するのが特徴です。

【症状】
夜間に増強する発熱と熱感・焦躁・時にうわごと・口渇がない・不鮮明な斑疹・舌質が紅絳・少苔~無苔・脈が細数など
【治法】
透熱転気・清営泄熱
【代表方剤】
清営湯(水牛角 生地黄 玄参、竹葉心 麦門冬 丹参 黄連 金銀花 連翹)
営分に入ったばかりのときには透熱転気を併用する。 清営泄熱の犀角・玄参・麦門冬、清心の連翹・蓮子心・黄連・竹葉心、透熱転気の金銀花・連翹などを配合する。

 

3.温病の営分証の食薬対応

【食薬】
<清熱類>
清熱瀉火類 : 芦根 竹葉 淡竹葉 夏枯草 荷葉 山梔子など
清熱凉血類 : 犀角 生地黄 牡丹皮 紫草 玄参 赤芍薬など
清熱解毒類 : 金銀花 連翹 蒲公英 大青葉 板蘭根 魚腥草 敗醤草など

攻下類 : 蘆薈 番瀉葉郁 李仁 火麻仁

透熱転気の場合 :
春の衛分証の辛涼解表類 : 薄荷、牛蒡子、桑葉、菊花、葛根、淡豆豉、蝉退、浮萍など

 

4.おすすめ薬膳茶

清熱類:セロリ セリ 香椿 白菜 山東菜 蒓菜 馬歯莧 蒲公英 金銀花 茶葉 茭白 苦瓜 胡瓜 西葫芦 西紅柿 粟米 黍 小麦 大麦 緑豆 豆腐 湯葉 魔芋 西瓜 バナナ キウィフルーツ リンゴ メロン    

1.セロリ竹葉茶 :
セロリ 1本
竹葉 6g
淡竹葉 3g 

  1. 急須を温めてから竹葉・淡竹葉を入れて湯を注ぎ、10分蒸らす。
  2. セロリをみじん切りにし、汁を絞る。
  3. 1と2を合わせてから飲みます。

2.銀翹大青葉茶 :
金銀花 6g
連翹 6g
大青葉 6g
蒲公英 6g
地黄 10g
牡丹皮 6g

  1. 土鍋に材料を全部入れて15分間浸けてから沸騰させて弱火で15分間煎じて濾す。
  2. 土鍋に再び水を入れて1と同じように煎じる。
  3. 1・2の薬汁を混ぜ合わせて1日3回に分けて飲む。

 

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