薬膳学は中医学と同じく、いつもエビデンスを求められています。 私がこの学問の裏付けの根拠を解明すればよいという夢を常に見ています。
最近、長く体温研究に関わっており、体温の維持が健康や体調の維持に重要であることを実験的に明らかにしてきた早稲田大学・人間科学学術院・環境生理学の永島計教授は、温度は中医学において重要な位置付けがなされていることを重視し、中医学体質や疾病には陽証・陰証、熱証・寒証の言葉をよく使い、これらの考えは温度にかかわる概念ではないかと考案しています。 また、健康維持、体質改善、疾病の治療目的とした薬膳も重視しています。 薬膳に用いる食薬には、寒性・涼性、平性、温性・熱性の五性があります。 それぞれの体を「温める」、「冷やす」という概念、体の温度を操作する考えは西洋医学にない新しい考え方で、自然科学的観点から見た根拠は明らかではない部分が多いです。 そのため、中医薬膳学と体温の研究探索を研究目標と設定し、中医学的温度概念の解明のための研究組織化及び、研究方法の開発、研究期間内での大型資金への応募、新しい学術領域の創出をゴールとする共同研究と基金を申請し、許可されました。
本草薬膳学院が、私が、このメンバーの一人に選ばれたことを嬉しく思います。 薬膳を日本で普及する仲間にも朗報となると思います。 中医学も薬膳学も長い歴史があり、昔の学問ですが、何千年もの医療現場の経験、日常の食経験によって21世紀まで伝わってきて、健康寿命を延ばす現代にも役に立つ学問で、その理論根拠を解明できるならなにより嬉しいことです。 自分の夢に近づいてきたと思います。