世界中医薬学会連合会(世界中連)が主催する「一帯一路中医薬面臨の機遇与挑戦」「第一回世界中医薬亳州論壇」が安徽省の亳州で開催され、その出席要請に応じて9月8日から中国に入りました。
飛行機で羽田から2時間半程で上海に到着しました。上海虹橋国際空港から虹橋火車駅へ移動し、窓口で予約したチケットを受け取って高鉄に乗り宿州東駅へ向かいました。久しぶりに中国高鉄に乗り、無料で配布されるお水とお菓子を楽しみながら車窓の江南水郷を眺めました。秋の大地は金黄色と緑色の絨毯が敷きつめられ、池に白雲の姿が映っています。2時間半後、安徽省の宿州東駅に着くと、大会ボランティアの大学生2人が待っていました。インドネシア、台湾の参加者と合流し、更にバスで2時間半かけ、20時30分にやっと会場がある亳州に入りました。この日は朝5時に出発したので疲れましたが、世界中連連絡部の手配で飛行機と高鉄のチケットはすべてスムーズに入手できてよかったです。
翌9月9日、大会が行われました。会場となる亳州は、中医学歴史の中で有名な医者である華佗(かだ)と、「三国誌」に登場する曹操の故郷でもあります。地理的に恵まれた環境で中薬も豊富に採れ、昔から有名な中薬市場として知られ、この数年の発展によって中国の中薬のトップ市場となっています。
今回は日本・アメリカ・タイ・インドネシア・ドイツ・イラン・イタリアなど25か国の代表者が招待され出席しました。主催側の中国商務部の代表が中医薬の現状を紹介し、中医薬は183の国と地域に伝わり、中国以外の中医薬医療機構は8万ヶ所、従業者は30万人に達成しているけれども、国際貿易はまだ初期の段階と述べていました。中医薬の領域における国際協力の必要性について、参加者の認識は一致しました。
9月10日は「華祖庵」「中華薬都」を見学しました。華佗は漢の時代の名医で、中医各科に通じ、特に外科が得意で、外科手術、麻酔薬、鍼灸、体操の五禽戯などを発明し、民衆から「神医」と呼ばれていました。今年は華佗の生誕1890周年となり、彼の故居である「華祖庵」で盛大な記念行事を行いました。
亳州は、3,700年の歴史がある場所です。唐の時代から中薬材料の集散地として「中華薬都」と称され、中国四大中薬市場の一つですが、ここ数年の発展はめざましく、中国最大級の中薬市場として栄えるようになりました。また「貢酒」という酒の名産地としても知られ、市場を見学しました。朝の混雑する時間帯を過ぎていたので、広い市場は落ち着いている雰囲気でした。時間があまりなかったので、まさに「走馬観花」(駆け足で見て回る)でした。
今回大会に出席し、特に中薬の栽培、販売、管理などは、急速に進歩しながら中国から世界へ発信していると感じました。特に中薬の栽培における農薬・重金属汚染などの問題は、中央政府から業者まで重視しており、さまざまな措置を行い、中薬の品質を高め、市場により良い商品を提供できるようになってきています。亳州は「中華薬都」から「世界薬都」へと進んでいっているようです。