薬膳の花咲く

秋葉原駅で“白子駅までのチケットをください”と切符を売る駅員さんに頼みました。しばらくしてから駅員さんが私に“この駅はどこですか? ”と逆に尋ねました。めったに人が行かないあまり知られていない駅だと覚悟しました。東京駅から新幹線に乗り、名古屋駅で近鉄特急に乗り換え、3時間かけて白子駅に着きました。土曜日の白子駅周辺には人がほとんどいなくてとても静かです。

北京中医薬大学の後輩が鈴鹿医療科学大学に務めています。鈴鹿医療科学大学に属する「日本薬膳学会」の第6回学術総会開催通知(2019年12月)を北京中医薬大学の同窓会に送ってきました。どのような学会?どのような活動をしているの?興味津々で申込みしました。好奇心でワクワクし、学習と交流ができればとの気持ちを抱いて白子キャンパスの会場に入りました。熱気溢れる第一、第二会場はほぼ満席です。参加者は400人ぐらいいそうです。駅前で見た静かな町を思い出し、この人たちは一体どこから湧いて出て来たのかしら?と不思議でした。東京から来た何人もの学者の先生方の講演や、イタリア料理人の発表、教員と学生達の調査発表もありました。やはり来てよかったと思い、たくさんの知識を収穫でき、大変啓発されました。

「日本薬膳学会」の代表を務める高木久代教授と浦田繁教授に初めてお目にかかりました。薬膳についての話で盛り上がりました。また中国からの来賓の中に湖南中医薬大学の譚興貴教授のご夫妻と北京中医薬大学の張清怡先生の姿を認め、実に10年ぶりに再会しました。他にも私が書いた専門書の熱心な読者の先生方にお会いできたことは予想外に嬉しかったです。

多くの知識を学んで、友人たちと交流し、美味しい薬膳を食べた楽しい1日は東京に帰る新幹線の車内で終わりました。薬膳の花は世の中のいろいろなところに咲き続けています。