こどもの厭食

1歳~6歳小児に発生しやすい食欲不振、拒食などの症証の1つです。厭食

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病因・メカニズム

飲食不節、養育不当、偏食などの原因で停滞、暴飲暴食による脾胃を傷め、伝化失調となります。 治療方法として運脾、養胃、健脾を中心とします。

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弁証施膳

1.脾失健運証

【症状】
食欲がない、食事が美味しくない、拒食、脘腹部の膨満感、消痩、顔色がすぐれない、精神状態正常、大便不調。 舌苔白薄膩。

【分析】
脾気不運により気血生化が不足

【治療方法】
健脾助運 

【中薬】
補気 : 人参、党参、山薬、黄耆、大棗、飴糖、蜂蜜
理気 : 陳皮、枳殻、木香、香附、草果

【食材】
補気 : 長芋、じゃがいも、干し椎茸、栗、鶏肉、豚の胃袋、牛肉、たうなぎ、粳米
理気 : 橘皮、薤白、大根、大麦、山楂子 

 

2.脾胃気虚証

【症状】
食欲がない、泥状便、未消化物が混ざる。 消痩、顔色がすぐれない、元気がない。 舌苔薄白、脈緩無力。

【分析】
脾胃気虚により運化が低下する

【治療方法】
健脾益気 

【中薬】
補気 : 人参、党参、山薬、黄芪、白朮、大棗、飴糖、蜂蜜

【食材】
補気 : 長芋、じゃがいも、干し椎茸、栗、鶏肉、豚の胃袋、牛肉、たうなぎ、粳米

 

3.脾胃陰虚証

【症状】
食欲がない、のどが渇いて水分を多量に摂る、皮膚乾燥、消痩、いらいら、睡眠が少ない、手と足の裏が熱い、便秘、舌紅乾燥、苔少、地図舌、脈細数 

【分析】
慢性的な病気で胃の陰液虧損が生じる

【治療方法】
滋脾養胃 

【中薬】
沙参、百合、麦門冬、玉竹、石斛

【食材】
牛乳、豚足、豚肉、鴨肉、牡蛎、松の実、卵、ムール貝、ホタテ

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*イメージです

【メニュー】
ホタテの牛乳煮(ホタテ、牛乳、松の実、卵、塩、酒)

夏を乗り切ろう!

b837d8da4027c3f7c19e13a3b4764cfd_s夏は立夏から始まって小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋までの3ヶ月間を指します。

 

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季節の特徴

 日差しが強くなり、気温が上昇し、陽気が最も盛んな陽熱の季節です。 暑さで寝苦しいため、少しは夜更かしをしてもよいですが、朝は早く起き、出来れば昼寝をお勧めします。 また、気温の高い時間帯を避けて身体を動かし、適度に発汗するように心掛けます。 精神的にも気分を発散することが大切です。

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夏と身体の関係

 夏には心の働きが活発に敏感になります。 五臓の中で陽気の多いところは心です。

  1. 熱がこもり、心に負担がかかる
    熱が心にこもると顔や舌が赤い、のどが渇く、動悸、大量の汗をかく、尿の量が少なくなり色が濃くなるなどの症状が現れます。
  2. 陰液と気も消耗される
    夏は汗をたくさんかきます。 汗で体内の必要な水分である陰液が失われるとのどが渇く、イライラする、睡眠障害などの症状が現れます。 また、気も一緒に消耗するため、息切れ、脱力などの夏バテの症状も現れます。
  3. 蒸し暑い時には、脾を傷つけやすい
    日本の夏は高温多湿です。 脾は湿を嫌い、乾燥を好む特徴があります。 身体に湿がたまると運化(消化吸収を促進させる作用)の働きが悪くなり、水液の代謝も低下します。 すると食欲不振、疲れやすい、やる気が出ない、四肢がだるい、下痢などの症状が現れます。
  4. 苦味の摂り方に気をつける
    苦味は心に入りやすい味です。 苦味には清熱の働きがあり、心の熱を取るので、少量を用いると心を助けます。 しかし、虚弱な人には使用量を加減します。 また、鹹味は心気を補養します。 酸味は引き締める働きがあるので、汗をかきすぎる場合にはお勧めです。

五行

五色

五気

五臓

五腑

五味

五体

五官

五志

五液

暑・火

小腸

喜・驚

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夏の注意事項風鈴

 風通しを良くして、楽しいことを心がけ、暑い時期には激しい運動は控えましょう。 また、食材の腐敗に気をつけましょう。

 老人や虚弱な方は、冷房は冷やし過ぎないように、冷風が直接身体に当たらないように気をつけましょう。また冷たい飲食物を摂りすぎないように注意しましょう。

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夏にお勧めの食材

1.熱を取り除く
 夏の暑さには、冷たい飲食物を摂るよりは、涼性・寒性(寒涼性)の食材と熱を取り除く働きがある清熱類をお勧めします。 温性・熱性(温熱性)の食材は控えましょう。
【食材】
緑豆・苦瓜・西瓜・メロン・バナナ・マンゴー・キウイフルーツ・りんご・胡瓜・白菜・トマト・セロリ・せり・じゅんさい・あわ・きび・小麦・大麦・豆腐・湯葉・こんにゃく・茄子・蓮の葉・蟹・しじみ・くちなし など

2.体内の水分を補い、気を補う
 夏の終わり頃には、夏バテの症状がよく現れます。 予防には、汗などで失われた陰液を補う食材をお勧めします。 また、気を補う食材も加えます。 熱性の食材は控えましょう。
【食材】
いちご・小松菜・アスパラガス・白きくらげ・松の実・胡麻・くこの実・百合根・牛乳・チーズ・烏骨鶏・玉子・豚肉・馬肉・すっぽん・あわび・牡蠣・ホタテ・うるち米・もち米・いんげん・きのこ類・栗・じゃがいも・さつまいも・山いも・キャベツ・ブロッコリー・鰹・石持・まながつお・鯖・どじょう・牛肉・豚骨・豚まめ・蜂蜜 など

3.消化を助け、脾の働きを促進する
 暑いと冷たいものを摂りたくなります。 しかし、消化に関わる「脾」は温かいものを好みます。 また冷たいものは湿をためやすく、脾の消化吸収作用が低下するため、もともと脾が弱い人は、脾を養う食材を摂りましょう。 尚、湿度が高い時も脾を傷つけるため、蒸し暑い時期は湿を取り除く食材も加えましょう。
【食材】
じゃがいも・キャベツ・牛肉・鰹・石持・まながつお・鯖・どじょう・大豆・小豆・そら豆・とうもろこし・金針菜・冬瓜・白瓜・サニーレタス・はと麦・しじみ・蛤・とんぶり・大根・かぶ・オクラ・麦芽・穀芽・おこげなど

577832dc7468f458386ab3e2eefb8a59_s4. 夏のカゼ
 寒気はなくて熱っぽく、顔が赤い、のどが渇く場合には涼性と寒性の食材を摂ることをお勧めします。 熱性の食材は控えましょう。
【食材】
ミント・菊花・桑の葉・緑豆・すいか・きゅうり・トマト・セロリ・茄子など

鮮海苔豆腐湯(生海苔と豆腐のとろみスープ)

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【材料】
豆腐(絹ごし) 1/2丁
干貝(もどした物) 1個
生海苔 25g
卵白 1個分

調味料
スープ 600cc
酒 小さじ1
塩 小さじ1/2強
胡椒 少々

化学調味料 少々
水溶き片栗粉 大さじ4

【作り方】

  1. 干貝は、深めの器で熱湯を入れ、1時間位おく。
  2. 豆腐はサイコロ切りにする。
  3. 生海苔は、ザルにあけ軽く水洗いする。
  4. 鍋にスープを入れ、1の干貝を良くほぐして入れ、もどし汁と2を加え調味料を入れる。
  5. 4に水溶き片栗粉でとろみを付け3を加え混ぜ、最後に卵白を入れてもう一度混ぜる。

【効能】
豆腐 : 甘、寒/脾胃大腸/益気和中、生津潤燥、清熱解毒/肺熱の咳、喘息、食欲不振、消渇、便秘、水腫、麻疹、皮疹、吐血
ほたて : 甘鹹、平/肝脾胃腎/滋陰補虚、調中開胃/陰虚のめまい、のどの渇き、口の渇き、喀血、排尿困難、消化不良、食べる量が少ない、倦怠
海苔 : 甘鹹、寒/肺/化痰軟堅、清熱利尿/リンパ節腫、甲状腺腫、水腫、淋病、排尿困難、脚気、不眠、皮膚病DSCF9635