2016年北京薬膳研修旅行

 去る6月1日、「2016年北京薬膳研修旅行」がスタートしました。 遅い出発で16時、予定通り、参加者のうち15名が成田空港に集合しました。 夕日を見ながら飛行機が北京へ向かって飛び立ちました。IMG_0240

 今回、参加者は全員で19名。 2名の方が福岡から北京に入り、北京空港で合流することになっていたほか、別の2名は会場で待ち合わせることになっていました。

 6月2日の朝、中国薬膳研究会と本草薬膳学院が共同開催する「国際薬膳師(士)資格証書授与式」が天健賓館で行われました。 今年の試験合格者14名が楊鋭会長と沙鳳桐会長から証書を授与されました。 国際薬膳師(士)合格者代表の松本久仁子様が感謝の言葉をお送りしました。 中国の事情が分かるように、中国薬膳研究会楊鋭会長が中国薬膳研究会の働きを紹介されました。

 お昼は焦副会長が薬膳制作の講義と今日の薬膳メニューについて説明し、本番な中国薬膳を楽しみました。IMG_6812

 翌日の6月3日は北京中医薬大学で林殷教授の「薬膳の現状と未来」についての講義を聞きました。 今回は広く中医薬膳学を学習するために、北京中医薬大学博物館、同仁堂博物館も回り、中医学・中薬学の歴史を復習しました。 また、食事に使える中薬植物園を見学しました。

  北京は歴史的な有名な古都で、世界文化遺産も多いので、故宮博物院、天安門、万里の長城を見学しました。北京の文化に触れるために老北京胡同と新の時代の官僚の屋敷である恭王府も回りました。

 旅で最も楽しいのは食事です。 今回の食事は四川料理・広東料理・山西料理・北京ダック・薬膳料理をたくさん食べました。 特に北京中医薬大学の食堂では、学生気分で食事をしました。IMG_7236

 

 5日間の旅はあっという間に終わりました。 参加者の皆さまの多くは初めての中国、北京ですが、国際薬膳師(士)資格を発行する中国薬膳研究会の会長から証書をいただくことを喜んでおられました。 また、大学で講義を受け、博物館を見学、たくさん学習できたことに満足しておられました。 数多くの食事、よく歩く観光、感動的な北京の研修旅行でしたと感想を述べていらっしゃいました。

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下痢

 下痢とは、水分が多く含まれた便を、1日に何回も排泄する症状のことです。 1年中どの季節でも発病しますが、特に夏と秋には発病率が上がり、そのままよくならずに繰り返すと慢性になります。

 

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 下痢はそのほかにも、「泄瀉」「大便溏瀉」「大便溏薄」「大便鶩溏(あひるの糞のような下痢」「飧(そん)泄(消化不良のような下痢)」「下注」「腹瀉」「滞下」「痢疾」などの病名があります。 大便が泥のような軟便で排泄の勢いが激しくない下痢を「泄」といい、大便が水のように希薄で勢いが急迫な下痢を「瀉」といいます。

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古典にみる下痢

 『黄帝内経』では下痢を「濡泄」「洞泄」「注泄」などと呼んでいました。 挙痛論篇に「寒邪が小腸に侵入すると、小腸は水穀の気を受納できず、下痢や腹痛の症状を起こす」との記述があります。 下痢と小腸の関係について述べたものです。

 漢代の『傷寒雑病論』に「太陰病とは、腹部に膨満感があり、嘔吐・食欲不振・ひどい下痢、ときに腹痛などの症状がある」とありますが、下痢を「自利」と表現し、太陰脾経の病気と認めています。

 『諸病源侯論』では「泄瀉」と「疾痢」を区別しました。

 宋の時代以降、陳無択が『三因極一病証方論』泄瀉叙論で「喜ぶと散る、怒ると激しくなる、憂いがあれば集まる、驚くと動く、臓気が隔絶し、精神が奪われると、溏泄が起こる」と述べ、下痢を「溏泄」と表現して、その原因を七情に関連付けました。

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原因

 『黄帝内経』陰陽応象大論篇に「清陽の気が下部にあって上昇しなければ泄瀉の病を引き起こし…」、挙痛論篇に「多くの疾病が気の異常によって発生する……激しく怒れば気は逆上し、はなはだしければ血を吐いたり、下痢したりする」、風論篇に「冷たいものを飲食すると下痢する」という記述があるように、この時代における下痢の原因は虚弱・肝気鬱結・寒気と関連が深いと考えられていました。

寒湿邪気の侵入 : 脾は「喜燥悪湿」(乾燥を好み、湿気を嫌う)という特徴があります。 寒湿邪気の侵入 ⇒ 脾胃の運化の働きが失調。 水様性の下痢・便に未消化なものが混じるのが特徴です。

湿熱邪気の侵入 : 湿熱邪気の侵入によって脾の運化機能が失調 ⇒ 熱がこもる ⇒ 腹痛・下痢・便が臭い・肛門の灼熱感などが出現。 「暑泄」「大腸湿熱の泄瀉」とも言われます。

飲食の不摂生 : 暴飲暴食・冷たいものや脂っこいものの摂りすぎなどによって脾胃を傷め、消化機能が低下 ⇒ 下痢

肝気鬱結 : 肝気鬱結によって、木克脾土(肝気が脾に乗じて脾を傷める)のため運化作用が失調 ⇒ 下痢
特に情緒の変動で悪化します。

脾胃虚弱 : 脾胃が虚弱 ⇒ 水穀を消化・運化できない ⇒ 腸で栄養分と不要なものに分けられないまま流れる ⇒ 下痢
慢性の下痢はこのタイプが多いです。

腎陽不足 : 腎陽不足 ⇒ 温煦作用が低下 ⇒ 水液代謝がダウン ⇒ 大腸に直接水が流れ込み ⇒ 下痢

 

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バジルペーストのテスタローリ

TESTAROLI AL PESTO

バジルペーストのテスタローリ

【材料(6人分)】
薄力粉 150g
セモリナ粉 100g
バジル 50g
松の実 20g
パルミジャーノ 70g
ペコリーノ 30g
にんにく 半かけ
オリーヴオイル 60cc
塩 少々

【作り方】

テスタローリを作る

  1. 薄力粉とセモリナ粉を合わせたものをふるって大きなボウルに入れ、塩ひとつまみを加え、真ん中にくぼみを作り、泡立て器でかき混ぜながら、水400ccを少しずつ注ぐ。
    良く混ぜ合わせ、なめらかで柔らかい生地を作る。 30分くらい生地を冷蔵庫で休ませる。
  2. 底の厚いテフロン加工のフライパンを熱し、薄くオリーヴオイルを塗り、1の生地をお玉1杯広げ焼く。
    底の面に焦げ目がついて、表面が乾いてきたら、裏返して、同じように焦げ目がつくように焼き上げる。
    焼き上がったテスタローリは重ねておいて置く。
  3. テスタローリを半分に切り、さらに不規則な三角形に切る。

ペーストを作る

  1. にんにくは芽を取り、熱湯で1分ゆでる。
  2. バジルは洗って、水気を切り、葉を摘み取る。
  3. 松の実は軽く煎っておく。
  4. パルミジャーノとペコリーノは削って合わせておく。
  5. にんにくと松の実をフードプロセッサーにかける。
  6. バジルを加えてさらに回し、オリーヴオイルを少しずつ加える。
  7. パルミジャーノとペコリーノを加え混ぜ合わせ、塩少々で味を調える。
  8. 鍋に湯をわかし、塩を加えて、3のテスタローリをさっとゆで、ざるに上げ、ボウルに入れる。
  9. 11に10のペーストを加え和える。

【効能】
バジル : 辛、温/胃肺脾大腸/疏風行気、化湿消食、活血、解毒/風邪の疼痛、消化不良、腹部の痛み、下痢、生理不順、打ち身、捻挫、打撲傷、蛇にかまれたとき、湿疹、湿疹のかゆみ

 

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