ノーベル賞

みなさま、明けましておめでとうございます。
本年も本草薬膳学院ならびに薬膳LAB.をどうぞ宜しくお願い致します。images

 

 毎年秋のノーベル賞は世界中の注目の的ですね。
2015年10月5日、中医学界に大きなニュースが走りました。

 

ノーベル医学・生理学賞に中国の屠呦呦(とぅようよう)氏が選ばれたのです‼

 

 屠氏は北京医学院を卒業後、中国中医研究院に就職、定年まで中薬研究所に勤務し、終身研究員兼首席研究員に任命されています。 彼女は青蒿(せいこう)という中薬の国家研究チームの中核リーダーとしてチームを率い、何百回という実験を行って(時に自ら実験体になり)、青蒿の研究を進めてきました。 何十年もの研究によって作られた薬は世界のマラリア患者の治療に利用され、その貢献を認められて、今回の受賞に至ったのです。

 彼女は「三無教授」(=海外留学経験がなく、博士号を持たず、学士院院士でもない科学者)ですが、今回、中国本土初(!)のノーベル医学・生理学賞の受賞者となりました。 更には、中医中薬に関する研究ですので、私も中医人・薬膳人として大変嬉しい限り o(*′▽`)〇))” 

 実は私も、来日前、中国中医研究院に勤めていました。 昔の職場からノーベル賞受賞者が誕生したことは、私にとって大きな励みになります。

 今の世の中に薬膳は広く知られるようになりました。 これから更に中医薬膳学の真髄が伝わっていくことを願っています。

 

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夢―HP開設のごあいさつ

 誰にでも夢があります。 その夢は年を重ねる毎に変わっていきます。

 日本に来てからの私の夢は「医学博士」の学位を取得することでした。 でも、自費留学生の家族の身分でお金も、言葉も、時間にもその余裕がありませんでした。 息子が独立し、やっと自分で余裕ができた時には、もう50歳を過ぎてしまっていました。 夢をあきらめかけた時、友人が励ましてくれました。

 その後、大学に入学希望を申請し、審査と試験を受け、55歳の時に順天堂大学医学部公衆衛生教室に入学することができました。

 4年間の学習では、今までにない体験をしました。 ずっと優等生が自慢だった私が日本語の壁 ― 特に普通の会話と論文とで異なる言葉、また論文の書き方と内容 ― にぶつかりました。 自信があったテーマは何回も入れ替わり、知見的な論点を出さなければならないという指導教官からの指摘を受け入れました。 博物館、多くの図書館へ行って、古典や論文を探しました。 論文のテーマを直しました。 中国語で論文を書いて、専門家に依頼して日本語に訳していただくなどいろいろな工夫をしましたが、なかなか合格ができなくて何回も心が沈みました。

 幸いなことに多くの方々から応援して助けていただきました。 59歳の時、願念の学位「医学博士」を取得することができました。 何より嬉しいことでした。 私を助け、見守ってくださった多くの方々に感謝します。

 人生は夢を追いかける人生です。 夢をもってこそ、人生の楽しさ、人生の価値を味わえます。

 本草薬膳学院は13歳になりました。 引き続き夢を追いかけていきます。 学校としての夢は、日本で中医薬膳学の普及に絶えず力を注ぎ、地方で教室を開き、卒業生と一緒に薬膳の種を撒いて、薬膳の考え方、薬膳の実践に努力すること。 そのうちに皆様に活躍の場を提供できるように頑張りたいです。 そのために、このたび「薬膳LAB.」のサイトを開設し、世の中にできるだけたくさんの薬膳に関する情報を提供し、「食べる」「飲む」「学ぶ」「楽しむ」という「喫喝学楽」の楽しみながら学習ができる・学習しながら楽しめる夢のサイトを送り出します。 そのうちに自分たちの夢を見つけ、実現するように歩んでください。

 みなさん期待してください。

2015年12月25日
本草薬膳学院 辰巳洋(たつみ なみ)
劉写真