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原因
『黄帝内経』水熱穴論篇第六十一に「腎汗出逢于風、内不得入于臓腑、外不得越于皮膚、客于玄府、行于皮裏、伝為腑腫、本之于腎、名曰風水」(風邪がからだに侵入し、臓腑まで入り込んで皮膚から外に排出できず、毛孔に滞って発生した水腫を風水という)とあります。
また気厥論篇第三十七に「肺移寒于腎、為湧水。 湧水者、按腹不堅、水気客于大腸、疾行則鳴濯濯、如嚢裹漿、水之病也」(寒邪が肺から腎に移ると、腹水の症状が現れ、湧水といわれる)などの記載があるように昔から水腫の原因は風邪・寒邪の関係が深く、脾と腎に大きな影響を与えていると考えられていました。
- 外因(六淫邪気)
- 風寒邪が皮膚から浸入し体表に停滞 ⇒ 肺の機能である通調水道・下輸膀胱の働きがダウン ⇒ 排尿異常 ⇒ 水腫
- 湿邪の侵入 ⇒ 脾の運化作用に障害 ⇒ 水が停滞。 さらに腎に影響 ⇒ 腎の排尿を主る働きがダウン ⇒ 水腫
外邪によって起こる水腫は発病が速く実証が多いので、陽水といわれます。
- 内因
- 脾気虚 ⇒ 運化機能低下 ⇒ 水がたまる
- 腎気虚 ⇒ 気化作用低下 ⇒ 排尿が少なくなり ⇒ 水腫
- 心気虚 ⇒ 血脈を主る機能低下 ⇒ 血流緩慢 ⇒ 水腫が現れやすくなる
- 「肺は水の上源」であり、肺気虚によって肺気の宣発と粛降機能失調 ⇒ 通調水道・下輸膀胱の働きが不可能に ⇒ 水気が氾濫 ⇒ 水腫
- 肝の疏泄失調 ⇒ 津液代謝の調節不可 ⇒ 水腫が起こりやすい状態に
内因によって起こされる水腫は慢性的で、虚証が多いので陰水と言われます - 腎陽虚のむくみ ⇒ 水が氾濫 ⇒ 心・肺・肝機能に影響
- 水気射肺 : 腎水が肺を犯す。 咳嗽・痰が多く希薄・喘息・仰向けになれない
- 水気凌心 : 腎水が心を犯す。 心悸・汗・呼吸困難・喘息・不整脈
- 肝気上逆 : 腎水が肝を犯す。 少腹部が張って痛い・腹痛・おなかの脹り・吐き気・食欲がない
腎陽虚により津液を気化・分散・利用などができない状態に陥り、水が臓腑・組織の間に停滞 ⇒ 全身の水腫 ⇒ 他の臓腑に溢れてしまいます
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