数千年の飲食経験は薬膳の基

 先日、日本国際薬膳師会の12周年記念特別講演会に、早稲田大学教授・農学博士の矢沢一良先生をお招きし、「食物の機能性と可能性」についての講演を行いました。

 薬膳学は中医学の理論を基にした医学と栄養学、食生活をつなげる複合領域の学問です。 現代科学が及ばない部分もある学問だと私はいつも思っています。 そのため“理論根拠”を求められた時、常に“難しい”と困っています。

 矢沢先生は大量の資料から、飲食と人類の進化、健康との関係を解説しました。 特に数千年の飲食経験によって伝承してきた中医学、薬膳学はこれから健康と欠かせない学問になり、明るい未来があることを強調しました。

 確かに、飲食観は「生存するために食す」から「健康のために取る」ことに変わりつつ、食生活は病気になるかならないかの重要なキーポイントとなっています。 中医学から生まれた薬膳学は健康的に、合理的な飲食観として普及され発展してきました。 これからの食のあり方として、引き続き研究しながら教え、頑張ってまいりたいと思っています。