韓国随筆

 広尾にある韓国文化館で「執念」という韓国の映画を観ました。 日本語字幕があり、見辛くて眠くなってしまいました。 朦々朧々の状態の中で映画がだんだん面白くなって目が覚め、最後まで一生懸命観ていました。
 ブームになった韓国のドラマによって韓国の伝統医学のことは、よく知られるようになりました。 映画「執念」は名著『東医宝鑑』を著し、韓醫の第一人者と尊敬されている許浚(ホ・ジュン1546~1615)の一生の物語です。
映画の基となった小説の『許浚』は、300万部のベストセラーになったそうです。 平民出身の許浚が医者の道を志し多くの患者を診察し、医科を受験して国王の待医になるまでの話です。 許浚の師は、名誉や地位に走った医者の息子を諦め、第一回目の医科受験に患者を治療するために遅れ、失格した許浚を教育することにしました。 解剖ということがない時代に、身体の構造を分かるために許浚に自分を解剖するようにと遺言を残して自殺しました。 許浚が師の志を尊重し、解剖し、よく学び、最高の成績で医科受験に合格し、国王の待医になったという映画です。 なんとも言えない複雑な五味の気持ちで感動しました。 ぜひ、ご一見をお勧めします。
  「韓国茶・薬膳」4泊5日の韓国の旅で、釜山・慶州・ソウルへ行って来ました。 釜山で東義大学校韓醫大学の金重漢教授と霊山大学校の鄭求学部長と車垠政教授が韓国茶と薬膳料理に案内して下さいました。 慶州では、世界文化遺産に指定された仏国寺・石窟庵を見学しました。
  「チャングムの誓い」のロケ地揚州では、撮影当時のオープンセットがそのまま残る「チャングムの誓いテーマパーク」を興味津々で見てきました。
ソウルでは世界文化遺産の宗廟・尚徳宮を見学し、世界で6番目に大きいという立派な国立中央博物館を見学しました。 今回は韓国薬膳・韓国茶の主題ですので、色々なキムチ・宮廷料理・薬膳料理・鍋料理・酒などを賞味し、茶学院で韓国茶道を体験しました。 韓国の気候や風土に合う穀物と野菜は韓国の食文化の中心であり、発酵食品が発達しています。 中薬も日常生活にもよく取り入れています。 今回は桑葉の漬物、当帰葉の天ぷらも食卓に出て美味しく食べました。
 東アジアでの中国、日本、韓国は国境が近い三つの国です。 同じ漢字を使い、伝統医学もほとんどで「一脈相承」哲学・文化は繋がるところも多いので、更に理解と交流を深めて行きたいと思っています。