日本国際薬膳師会設立15周年を迎えて

14年の年月は水が流れのように止まることなく刻々と過ぎ去っていきました。14年前のことを思い、さまざまなことが湧き出てきました。

2004年、三井記念病院の脇にある本草薬膳学院の小さい教室に、鷲見美智子先生、海老原英子先生、故勝本海咏先生と私の4人が集まりました。そして日本でどのように薬膳を普及するかという話で盛り上がりました。その時はちょうど本草薬膳学院第一期卒業生が参加した国際薬膳師の資格認定試験が終わったところで、日本で薬膳の専門家団体を作る話がまとまり、それをしっかり発展させるためにいろいろな意見を交わしました。その後、堀実佐子先生、故上野多恵子先生と相談し、この年の11月23日に学士会館で「日本国際薬膳師会」の設立大会を発足し、会員46名でスタートしました。

「光陰矢の如し、歳月人を待たず」気付かないうちに時間が経ち、あっという間に日本国際薬膳師会設立15周年に臨む時が来ました。

15周年記念行事は今年の11月24日に学士会館で行うという計画を昨年から立て始め、日本国際薬膳師会の最高顧問であり、中国薬膳研究会の副会長 高思華先生(元北京中医薬大学学長)を会の行事に初めてお招きして特別講演を企画し、「記念誌」と「レシピ集」の発行も決まりました。会場となる学士会館に予約を入れ、予算も決めていきました。

まず編集チームは先に動き出しました。記念誌の論文・エッセイの募集、レシピ集のテーマを絞り、会員に向けて募集をかけました。日本国際薬膳師会の役員たちは一年かけて準備して完成させた記念誌『人生100年 今こそ薬膳養生』と『臓腑弁証の薬膳(10の証)』のレシピ集を参加者の皆様に届けました。きれいなデザインと豊富な内容を見て感動しました。会の編集チームの皆様、事務局、総務の皆様、大変お疲れさまでした。

また15周年記念行事の直前、ローマで開催される第15回世界中医薬大会に出席せざるを得ず、いろいろな準備の最中に抜けてしまったことには、心の底から罪悪感が湧いていました。幸いなことに実行委員会の役員と理事、会員の方々はよく協力しあい、準備はスムーズに進んでいました。

20日にローマから戻りました。溜まっている学校の仕事を済ませ、11月22日に空港で高思華先生をお迎えしました。23日には会の副会長の鷲見美智子先生・海老原英子先生・大村和子先生・市川兼次郎先生と一緒に東京タワー付近の 豆腐屋うかい で歓迎会を開きました。きれいなお庭を見ながら、品のある美味しくて健康的な料理を食べて最高の気分になりました。翌日はいよいよ15周年記念大会です。

24日の10時に学士会館に着きました、副会長の先生方、事業部・総務部の皆様はもう準備に入っていました。すべては順調に進んでいます。

15周年の記念式典は設立当初から会に協力し、支援してくださった先生方に感謝状を捧げ、会を永年支えてくださった会員を表彰しました。

高思華先生は、薬膳の歴史から臨床応用についてや肝脾腎の治療から糖尿病を改善する薬膳の養生について特別講演を行いました。東北大学 CYRIC サイクロトロン核医学研究部研究教授の関隆志先生の講演はギリシャ・イタリア・インドなど各国の古典飲食文化思想と中医薬膳学を比較し、地中海の飲食療法やアメリカの飲食変化について講演してくださいました。お二人の先生のお話は参加者の皆様から大変ご好評をいただきました。また、高先生は中国薬膳界で最高権威を持つ中国薬膳研究会を紹介し、中国の薬膳事情を説明しました。これからも国際薬膳師の会員の皆様にはさらに胸を張って力を振い、今後ますますの活躍を期待しますとの励ましのお言葉もいただきました。

晩餐会は交流部によって進めていきました。鷲見先生と海老原先生は、会を発足した当時の思いを皆さんにお話しました。当時、先生方は定年になったばかり、私は40代でした。先生方と知り合ってからこの20年間「相識」「相知」「相行」の精神で、会の発展や拡大、日本での薬膳の普及活動を一緒に頑張ってきたことは自分にとって宝であると同時に私を育てていただいたと思っています。心から先生方に感謝いたします。

また会の多くの役員、会員の皆様には、会のためにまた中医薬膳学普及のために貢献されるボランティア精神に深く感謝しております。

このような多くの先生方、会員の皆様に囲まれた私は本当に幸せです。

これからも私たちは力を合わせて、更なる成果を結ぶよう、頑張っていきましょう。