瘀阻経脈タイプ―血瘀シリーズ④

瘀血によって起こる関節痛・筋肉痛が現れやすい

5b8f153338e559176274aedf556437c4_s瘀血によって経絡・血脈が渋滞し、関節痛・筋肉痛が現れやすい体質

【分析】
外傷・運動しすぎ・老化・湿気のある生活環境などが原因となって、寒邪・湿邪が筋肉・関節に停留し、経絡・血脈に侵入し、血流が渋滞して瘀血となる。 また、疾病による半身不随などの後遺症で長期間にわたって体の動きが不自由な状態になると、この体質に変わりやすい。

【症状】
筋肉・関節の痛み、腰痛、足膝の痛み、肢体の冷え・重たい感じ、舌質淡白・瘀斑、舌苔白、脈沈・緊

【立法】
活血化瘀・通絡止痛

【方剤】

  1. 身痛逐瘀湯(秦艽・羗活・香附子・川芎・没薬・炒五霊脂・地竜・甘草・桃仁・紅花・牛膝・当帰)
  2. 補陽還五湯(黄耆・当帰尾・赤芍薬・川芎・桃仁・地竜・紅花)

青梗菜と丹参入りスープ【食材】
青梗菜・空芯菜・れんこん・なす・甜菜・くわい・槐花・黒きくらげ・ハマナス・梅の花・うど・えんどう豆・小茴香・桂花・鰱魚・鯇魚・サケ・アジ・マス・黒砂糖・にら・韮子・唐辛子・ピーマン・酢・酒

【中薬】
三七・紅花・当帰・川芎・牛膝・桃仁・姜黄・莪朮・王不留行・月季花・凌霽花・橘皮・香櫞・仏手・薤白・刀豆・厚朴・香附子・木瓜・威霊仙・狗脊・桑寄生・断続・五加皮・白花蛇・烏梢蛇・艾葉・肉桂・乾姜・高良姜・花椒・胡椒・蓽撥・丁香

腎気虚タイプ―気虚シリーズ④

腎の働きが低下

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腎と密接に関係する季節は冬です。 冬は1年のなかで最も寒い季節です。 植物も動物も冬眠し、力を蓄えます。

腎は精を蓄え、冬に通じる臓です。 したがって、春に気を補う補気類を使うほかに、冬には腎を温める助陽類と潤す滋陰類を用いる必要があり、腎の蔵精機能を高める収渋類の使用もお勧めします。

【症状】
体の成長が遅い、髪の毛が切れやすい、白髪・禿げ、記憶力・集中力の低下、足腰がだるくときどき痛む、息切れ、耳鳴り、めまい、耳が遠い、むくみ、尿漏れ、頻尿、遺尿、夜尿が多い、帯下が多い、性機能の低下、初潮が遅い、月経不順、流産しやすい、脈沈・弱

【分析】
虚弱体質・廊下・慢性病・房事(性生活)過多などが原因となって、腎気虚の体質になりやすい。 腎気虚によって気の固摂作用が低下し、尿漏れ・頻尿・遺尿・夜尿が多い・帯下が多いといった症状が現れる。 腎気虚によって吸気を収める働きが低下し、息切れとなる。 腰は腎の府であるため足腰がだるくなる。 腎気虚によって気血が体や耳を滋養できなくなり、体の成長が遅い・髪の毛が切れやすい、白髪・禿げ、記憶力・集中力の低下がみられるようになる。

【立法】
補気益腎・滋補陰陽

【食材】
腎経の補気類 : 長いも・キャベツ・カリフラワー・長ささげ・白豆・霊芝・栗・鳩肉・豚マメ・ウナギ・田ウナギ・スズキ・ナマズ・イシモチ・カツオ・タラ
助陽類 : 韮子・くるみ・羊肉・鹿肉・熊肉・スズメ・エビ・ナマコ・イワナ
滋陰類 : アスパラガス・白きくらげ・黒ごま・鶏卵・ウズラの卵・家鴨肉・豚肉・烏骨鶏・亀肉・アワビ・カキ・マテ貝・ムール貝・ホタテ貝
収渋類 : ざくろ

【中薬】
助陽類 : 冬虫夏草・鹿茸・肉蓯蓉・淫羊藿・杜仲・益智仁・莬絲子・蛤蚧・紫河車
滋陰類 : 麦門冬・沙参・石斛・玉竹・黄精・女貞子・桑椹・百合・枸杞子・亀板・鼈甲
収渋類 : 山茱萸・五味子・蓮実・芡実・烏賊骨

肝胃不和タイプ―気鬱シリーズ③

肝気の鬱結により消化機能が低下し、
胃のもたれ、吐き気、げっぷが出やすい

gatag-00003478肝の疏泄が鬱結状態になることによって胃の通降がはばまれ消化機能が低下する

【症状】
うつになりやすい、情緒の変動によって怒りっぽい、ため息をつく、胃脇部の脹れ・痛み、胃のもたれ、吐き気、嘔吐、げっぷ、しゃっくり

【分析】
精神・情緒の不安定や突然の精神的な素因によって、肝の気機の昇散が正常な状態で行えなくなる。 危機が停滞すると、ため息をつく、躁うつ、怒りっぽい、胸脇部・少腹部の脹痛・つかえなどの症状が現れ、飲食の不節や胃の働きの低下などによって、胃気が停滞し、上腹部の脹れ・痛みの症状がときどき出る。 胃の受納・腐熟の働きが失調すると、食欲不振、げっぷなどの症状が現れる。

和風薬膳用【立法】
疏肝和胃

【食材】
そば・たまねぎ・らっきょう・えんどう豆・なた豆・蜜柑・きんかん・ぶんたん・オレンジ・茉莉花・緑萼梅・玫瑰花

【中薬】
陳皮・青皮・仏手・枳実・枳殻・薤白・木香・香附子・厚朴・大腹皮・茘枝核・柿蔕