気虚体質によって腎の働きが虚弱となる陽虚
腎気虚と同じく、腎陽虚体質と密接に関係する季節は冬です。 冬には、腎気を強く補い、体を温める必要があります。
また、腎陽は腎精から生成されるため、腎精を滋養し、腎陰を滋養することを心がけましょう。
女性の場合は、腎陽虚によって子宮虚寒の月経不順・月経痛・不妊症を引き起こしやすいため、冬に薬膳で対応することも重要です。
【症状】
顔色が㿠白、畏寒、四肢・腰・足の冷え、足腰がだるい・痛む、めまい、気力がない、性機能低下、心悸、むくみ、朝方の下痢、月経不順、不妊症、舌質淡、舌体胖、舌辺歯痕があり、舌苔白、脈沈・弱
【分析】
腎陽は元陽・真陽ともいわれ、各臓腑の陽気の元であり、促進・温煦の働きをもつ。 各臓腑を温める働きを促し、気化作用を高め、精・気・血・津液の生成を促進して、分散させて流れを促す。 虚弱体質・飲食失調・過労・慢性病・老化・房事（性生活）過多などが原因となって腎陽虚となる。 陽虚のために、寒さに弱い、四肢・腰・足の冷えと痛み、月経痛といった内寒の症状が現れ、水を主る働きが低下することで水が溜まり、津液代謝の悪化、心悸、むくみ、胃腸への水の停留、水様性下痢、舌象の変化などの症状が現れる。 成長・生殖などを促進する働きが低下することで性機能が弱まり、インポテンツ、月経不順、不妊などの症状が現れる。
【立法】
補腎助陽
【食材】
腎経の助陽類 ： くるみ・エビ・ナマコ・イワナ・羊肉・鹿肉・熊肉・スズメ
補気類 ： 長いも・キャベツ・カリフラワー・長ささげ・白豆・霊芝・栗・鳩肉・豚豆・ウナギ・田ウナギ・スズキ・ナマズ・イシモチ・カツオ・タラ
温裏類 ： にら・韮子・花椒
滋陰類 ： アスパラガス・白きくらげ・黒ごま・鶏卵・ウズラの卵・烏骨鶏・家鴨肉・豚肉・亀肉・アワビ・カキ・マテ貝・ムール貝・ホタテ貝
【中薬】
腎経の助陽類 ： 冬虫夏草・鹿茸・肉蓯蓉・淫羊藿・杜仲・益智仁・莬絲子・蛤蚧・紫河車
補気類 ： 紅景天・山薬
温裏類 ： 肉桂・乾姜・丁香・小茴香
滋陰類 ： 黄精・女貞子・桑椹・枸杞子・亀板
脾の働きが失調して水が停留したことによって生じた痰湿が肺を犯しやすい。