文化としての茶

c55b7429b9de37f8927b579ac6c91bd7 中国では商の時代(B.C19~12世紀頃)にはすでに、「4月に茶を摘む」という記録があり、周の時代(B.C12世紀頃~B.C256年)には「茶を貢ぎ物として朝廷に捧げた」という記録がありました。 その後、後漢の時代には、市場で茶葉を買い、煮てから飲む習慣ができました。 また唐の時代(618~907年)には、寺では「午後は食事を摂ってはいけない」という規則ができたため、茶室を設置して、腹が減った僧侶たちのために茶を提供するようになりました。 このことが信者たちにも影響を及ぼし、茶がさらに流行しました。

 このような背景のもとで、陸羽は「茶は努力・端正・節約などの徳のある人に最も適切な飲物である」と述べ、茶を飲むことは上品な行為だとされるようになりました。 『茶経』によって、茶を飲む行為は「礼・仁・雅・和・静などの精神を表す」という今の茶道にも通じるような、ひとつの文化としても栄えるようになったのです。

茶と水・器

%e7%85%8e%e8%8c%b6 昔は、茶を飲む時、茶葉を煮てから飲むという煎茶を行いました。 煎茶には「一是弁別、二是水、三是火、四是湯、五是器、六是飲」という六つの要訣があります。

 煎茶の第一要素は水選びです。 水のクラスは、水山の水→川の水→井の水の順番になり、山の水でも鍾乳石から出た水、または流れは緩やかな水は最もよいといわれています。 地域によって、揚子江の南零の水、無錫恵山寺の水、蘇州虎丘寺の水はよいと記録されています。

 今は、水の質を求め、多くの商品が出回っていますが、東京の水道水を使っても問題ないと思います。

 また、煮茶の時には、火と水が必要です。 火は柏・桂・桧のような油の多い膏木を使わず、まず、炭を使い、次は桑・槐・桐・檪を使います。 今はほとんど、ガスかIHを利用していますから、手間のかからないように使いましょう。

 茶器については、中国の江蘇省宜興市産の紫砂壺と湯呑がよく使われています。 土砂で作られ、茶のうまみが最も発揮できる茶器です。 この茶器は、使うほど、茶葉の渋みをまろやかな味に変化させます。 世界に最も影響を与えた茶器は、江西省景徳鎮の青花磁器です。 藍色の山水絵・花・鳥・魚・虫などを描き焼いた上品な茶器です。 ほかには白磁・青磁も有名です。 近年は、茶の色・茶葉の様子を楽しめるように、ガラスの茶器も流行ってきました。 焼けと予防、持ちやすくために二重のガラス杯も出ています。

 薬茶を飲む時は、お好みの茶器を選んで使ってください。 中国の茶器は小さいものが多いので、大き目の茶器をお勧めします。

 また、薬茶は煎じるものが多い、中薬の中に鉄鍋に合わない中薬もあるので、土鍋、ステンレス鍋をお勧めします。 ミキサーも用意してください。

紅茶が発酵の程度が最も強いお茶

tea-1771369_1920 世の中で紅茶というと、中国の祁門 (キームン・キーマン)、インドのダージリン、スリランカのウバ、をさしています。 ほかにイギリスのお土産として紅茶もよく使われています。 茶葉を摘んでから萎凋(いちょう)・揉捻・発酵などの工程を経て、十分に発酵をさせ、乾燥させます。 今は機械化になっています。

 中国の祁門紅茶は安徽省の良い環境で作られているために、香りが高くて、甘みもあり、渋みが少ないため、ストレートに飲むかミルクティーにします。

 紅茶には正山小種・雲南紅茶・英徳紅茶などの種類があります。