箸の種類

 最初は木の枝、竹、骨などがそのまま箸として使われていましたが、その後、木・銅・象牙・鉄・玉石・金・銀のほか、多くの中薬を用いて箸が作られるようになりました。

%e7%ab%b9%e7%ae%b8 竹は最もよく使われています。 竹の葉は竹葉といい、清熱除煩、生津利尿の作用があります。 竹茎を炙って出た液体、竹瀝で清熱去痰の作用をもち、竹瀝を乾燥した天竹黄は清心定驚の作用もあります。 茎の繊維は竹茹には清熱去痰・除煩止嘔の作用があります。 このように、どの部分にも清熱効果があるので、竹の箸は夏に適し、のぼせ・暑がり・口渇くの人に勧めたい箸です。

%e7%83%8f%e6%9c%a8%e7%ae%b8 烏木(黒檀)は『本草綱目』に「烏木は漆黒で重く硬い。 箸や食器に適す。 性味は鹹・平・解毒作用がある」とあり、箸に適している木です。

 沈香木は「風水毒腫を主治し、悪気を去り人神を清す」(李時珍)、「益気和神」(李東垣)、「気を全身に巡らせ、陰陽を調和し、養血明目・活絡疏筋作用がある」(劉元素)、「調中・補五臓・益精壮陽・暖腰膝」(李珣)と歴代の名家が高く評価し、最も貴重な箸となります。

%e7%99%bd%e6%aa%80%e7%ae%b8 白檀には、「手太陰経・足少陰経に入り陽明経を通す。 冷気を散じて、胃気を上昇させ食欲を増す」(劉元素)作用があり、芳香の性があるので、気分の薬として理気作用に優れています。 紫檀は、血分の薬として営気を調和し、腫毒を治療します。 これらの檀木の箸は行気活血・開胃消食の作用があります。

%e7%8e%89%e7%9f%b3%e7%ae%b8 玉石について『本草綱目』には「甘平、五臓百病に効果があり、柔筋強骨・安魂魄・長肌肉・益気・利血脈の効能をもつ。 長期服用で寒暑に耐え、飢えも渇きもなく、不老長寿によい」とあります。 玉石の箸は高級品で、長寿の祝いに贈る習慣があります。

%e9%8a%80%e7%ae%b8 銀箸は重要な役目を担っていました。 『本草綱目』では、「銀は毒に遭うと変色するので、銀で毒を見極める」とされています。 権力闘争の激しい時代には毒殺がよくあり、その一番簡単な方法は食事に混ぜることでした。 この時代、毒の判別のために銀箸を含め銀食器がよく使われていました。

 箸を使うことは、体によい刺激を与えます。 指3本で箸を持つと、ツボと経絡を刺激して筋肉が鍛えられ、同時に脳も活性化されます。