薬としての茶

d95cfeb6858b858dc43a7d090c0c32ee_s 茶が長い歴史を経てこんなに広まった理由は、茶がもっている多くの働きにあります。 中国古代の文献には次のようなエピソードがありました。

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 神農が薬を調べるために山々を歩いて回り、多くの草木を試食したときに、1日に多くの毒にあって巨大な茶樹の下に倒れてしまいました。 すると茶葉にとどまっていた露が垂れてきて、神農の開いた口に流れ込み、その雫を飲んだ神農は命が助かりました。

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 この話からもわかるように、茶は解毒薬としても利用されてきました。 後漢の時代(25~220年)の書籍には、茶には「気持ちを楽しくする」「心を安らかにして気を養う」「イライラやのどの渇きを止める」「熱毒邪に犯された下痢を治す」「利尿」「痰を取り除く」「体を軽くし若さを保つ」「長期間飲むと痩せる」「脂肪を取り除く」「飲みすぎ・食べすぎを治す」などの効能があるという記録がありました。

 清代(1616~1912年)の『本草求真(ほんぞうきゅうしん)』(黄宮綉(こうきゅうしょう))にも「茶には甘味があり、寒の性質をもちます。 肺に入って体に溜まっている痰飲を溶かしたり、心の熱毒を清したり、脂肪を排泄したり、宿食を解消したりする効能があります。 よって、食積・頭がボーッとする・涎が垂れる・大小便の不利・消渇・吐血・鼻血・血便・火傷などの症状に有効です」と書かれているように、茶は薬として長く使われたことがわかります。