虫料理に挑戦!その1

山東省は自然と天候に比較的に恵まれているところで農林水産業が発達しています。日本のスーパーでも山東省から輸入されている野菜や果物、落花生、貝類、海草、緑豆春雨などの商品をよく見かけます。また山東料理は「魯菜」と言われ、中国八大料理の一つで、北京料理の原型として、宮廷料理に深く影響しています。

7月中旬の世界中医薬学会聯合会(世界中聯)臨沂大会へ行く前に、交通を調べたところ、北京から高速鉄道を利用して2時間半、山東省の棗荘で車に乗り換えてまた2時間半、会場に着くまで片道6時間かかります。しかし、本場の山東料理が食べられると楽しみに考えていると移動の疲れも感じませんでした。

野菜以外にも山東省は小麦の産地としても有名で、いろいろな具が入っている花巻、包子・餃子・烙餅・煎餅・油条などの粉もの料理が、朝から晩までさまざまに形を変えて出てきました。また、海に囲まれた半島という地形の恩恵を受け、魚・貝類・海老・ナマコ料理も豊富です。

雑誌『世界中医薬』の第3回編集委員に任命されました

2003年に設立した世界中医薬学会聯合会(世界中聯)は15年間の歳月を経て、2017年12月末には、世界67の国家と地区合せて257の団体会員と159の支所を持つまでになりました。その中には146の専門委員会、13の合作委員会・発展委員会或いは連盟が含まれています。

世界中聯は中医薬の国際的な普及と発展を促進し、中医薬が各国の医療衛生保健システムに組み入れられることで、人類の更なる健康に貢献するという方針で活動しています。現在、世界保健機関非政府組織(NGO)メンバー、国際標準化組織中医薬技術委員会A級連絡組織、国連教育科学文化機関(UNESCO)無形文化遺産保護コンサルティング機構等の国際組織から認められています。

世界中聯の会誌である『世界中医薬』は2006年に創刊された時は季刊誌でしたが、その後月刊誌に発展し、今年の7月14日~15日に中国の山東省臨沂で第3回目の編集委員会並びに中医薬国際化発展フォーラムが開催されました。中国、ハンガリー、イギリス、日本、フィリピン、インドネシア、中国香港、中国台湾などの国家と地域の200名の専門家が会議に出席しました。

会議には創会李主席と2名の院士(中国国家が選出した著名な科学者に与えられる称号)、教授の報告があり、中国の立場から世界的な中医薬高水準化の研究成果と展望について話しました。中医薬事業高水準化の著しい発展を感じさせ、一流の学会にふさわしく一流の雑誌を発刊するという目標を立てました。その会議で私も編集委員に任命されましたので、「任重而道遠(背に負ふ荷は重くして、行くべき道は遠し)」と気を引き締め、278名の編集委員と一緒に頑張りたいと思っています。

今回、中国以外から出席した編集委員の5名は、一年に一度の世界中聯の大会にしか会えないため、皆で挨拶を交わし、年末に行われるローマ大会での再会を約束しました。

 

校友たちと社会貢献を楽しく行いました

北京中医薬大学を卒業してからもう43年になりました。昨年、日本にいる卒業生、留学生、研修生の有志者と一緒に「北京中医薬大学日本校友会」を設立しました。そして今年の7月8日「日々の健康に役に立つ中医学の応用」をテーマに、設立一周年特別講演会を日中友好会館で行いました。

北京中医薬大学は中国教育部直属の全国重点大学の1つであり、中国国家として初めて「世界一流大学建設計画」に指定された大学です。そこで校友会は優秀な人材が豊富なため、どのような活動するか、どのように発展させるかをずっと考えてきました。

今回、一周年を迎えるにあたり、学術部から提案があり、日本の社会に貢献しながら校友会を宣伝するという目標を立て、学術講演会を開催するために動き出しました。準備期間で発生したいろいろな事情を調節しながら行事の内容を固め、事務局や広告部の積極的な行動と協力を得て開催に至りました。

メインゲストとして日本の中医学分野で高名な医師である小高修司氏をお招きし、漢方薬によるがん治療の講演を行いました。引き続き日本で医師免許を取得した邱海燕氏・李向軍氏、鍼灸師の瀬尾港二氏・賀偉氏、気功推拿の張輝氏、薬膳の梁蓓氏など6名の校友が各分野での中医学の応用について講演を行いました。

会場には日本人医師、薬剤師、針灸師、栄養士、薬膳師、会社員、主婦など様々な分野から100名以上の方々がご来場くださいました。多彩な中医薬学の講演内容に、大変好評をいただきました。特に数多く出席してくださった本草薬膳学院の学生、日本国際薬膳師会の会員の皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

今回の社会に向けての活動は、私たちにとっては経験がなく、経費も厳しいものでしたが、校友会理事全員の努力や校友らのご支援で、円滑に成功させることができました。各講師のご講演により、中医学の「博大精深(文化や学識が広くて奥深いこと)」な内容を世の中にアピールしながら、私たち校友会の会員で力を合わせて行事を成功させたことは良い宣伝になりました。講師の皆様、校友会の皆様、ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。