北京、楽しかった!!

 去る5月25日~5月30日に、例年通り、北京にて国際薬膳師(士)・国際薬膳調理師資格証書授与式と研修学習を行いました。 今回は東京・大阪・青森・北海道などから14名の先生と学生の方々が参加しました。

 羽田国際空港の出国手続きはスムーズに完了し、みんな元気な姿で北京に向かいました。

 26日、世界文化遺産の頤和園で、中国薬膳研究会楊鋭会長より、国際薬膳師(士)・国際薬膳調理師資格証書が今年の合格者8名に授与されました。 また、同会場で中国薬膳研究会と本草薬膳学院共同で「薬膳と健康」日中薬膳学術交流会を行いました。 お昼は園内の「聴鸝館」で清の時代から伝わる宮廷料理を楽しみました。

 27日、北京中医薬大学で張清怡教授の薬膳社団と合流し、薬膳の交流会を行い、中医薬博物館を見学しました。 午後、中国医学科学院薬用植物園を見学し、いろいろな中薬の勉強になりました。

 5月の北京は青空で暑い毎日ですが、天壇公園・天安門登城・故宮博物院・万里の長城を巡り、歴史の悠久な古城の歴史を探しました。 また、足を天津へ延ばしてイタリア風情街・古文化街・旧租界の町・五大道風情区などを巡って観光しました。

 今回も宮廷料理・薬膳料理・老北京料理・天津料理・会所料理など、たくさんの料理を楽しめました。

 証書を頂きました!勉強しました!中国の歴史・世界文化遺産を訪ねました!同仁堂で薬を買いました!たくさん料理を食べました!北京は楽しかったです。

盤古と陰・陽

 %e7%9b%a4%e5%8f%a4 宇宙がまだ昏沌としていて、太陽も月も天地もない暗い世界だったとき、1つの生命が誕生しました。 彼の名は「盤古(ばんこ)」といい、生まれるまでの1万8千年の間、精霊に育まれて眠っていました。

 盤古は鋭い斧でこの狭くて暗い世界を2つに切り裂きました。 すると、2つのうちの軽い方は1日1万里の速度で上昇して天空となり、重い方は1日1万里の速度で下降して大地となりました。
  盤古も1日1丈ずつ成長して天地の間に立つ巨人となり、独りぼっちで1万8千年生きてから、この世を去りました。

 これは「盤古開天劈地」という物語です。

  この「軽揚上昇の気は陽となり、重濁沈降の気は陰になる」という陰陽の世界観は「黄帝内経」にもみることができます。 陰陽応象大論篇第五には「清陽上天、濁陰帰地、是故天地之動静、神明為之綱紀、故能以生長収蔵、終而復始」とあり、この陰陽の気によって宇宙の動と静が生じて、万物が生・長・化・収・蔵の変化を繰り返して循環していると書かれています。ying-yang-300px

韓国随筆

 広尾にある韓国文化館で「執念」という韓国の映画を観ました。 日本語字幕があり、見辛くて眠くなってしまいました。 朦々朧々の状態の中で映画がだんだん面白くなって目が覚め、最後まで一生懸命観ていました。
 ブームになった韓国のドラマによって韓国の伝統医学のことは、よく知られるようになりました。 映画「執念」は名著『東医宝鑑』を著し、韓醫の第一人者と尊敬されている許浚(ホ・ジュン1546~1615)の一生の物語です。
映画の基となった小説の『許浚』は、300万部のベストセラーになったそうです。 平民出身の許浚が医者の道を志し多くの患者を診察し、医科を受験して国王の待医になるまでの話です。 許浚の師は、名誉や地位に走った医者の息子を諦め、第一回目の医科受験に患者を治療するために遅れ、失格した許浚を教育することにしました。 解剖ということがない時代に、身体の構造を分かるために許浚に自分を解剖するようにと遺言を残して自殺しました。 許浚が師の志を尊重し、解剖し、よく学び、最高の成績で医科受験に合格し、国王の待医になったという映画です。 なんとも言えない複雑な五味の気持ちで感動しました。 ぜひ、ご一見をお勧めします。
  「韓国茶・薬膳」4泊5日の韓国の旅で、釜山・慶州・ソウルへ行って来ました。 釜山で東義大学校韓醫大学の金重漢教授と霊山大学校の鄭求学部長と車垠政教授が韓国茶と薬膳料理に案内して下さいました。 慶州では、世界文化遺産に指定された仏国寺・石窟庵を見学しました。
  「チャングムの誓い」のロケ地揚州では、撮影当時のオープンセットがそのまま残る「チャングムの誓いテーマパーク」を興味津々で見てきました。
ソウルでは世界文化遺産の宗廟・尚徳宮を見学し、世界で6番目に大きいという立派な国立中央博物館を見学しました。 今回は韓国薬膳・韓国茶の主題ですので、色々なキムチ・宮廷料理・薬膳料理・鍋料理・酒などを賞味し、茶学院で韓国茶道を体験しました。 韓国の気候や風土に合う穀物と野菜は韓国の食文化の中心であり、発酵食品が発達しています。 中薬も日常生活にもよく取り入れています。 今回は桑葉の漬物、当帰葉の天ぷらも食卓に出て美味しく食べました。
 東アジアでの中国、日本、韓国は国境が近い三つの国です。 同じ漢字を使い、伝統医学もほとんどで「一脈相承」哲学・文化は繋がるところも多いので、更に理解と交流を深めて行きたいと思っています。